2015年7月29日水曜日

日本化学会が「化学の新研究」の curved arrow をデタラメだとしたことの真偽について

11月4日、全文内容更新 : 日本化学会会員の化学者が、捏造記事でもって受験参考書を批判している疑いに関しての追記
11月15日、内容更新 : 下記の curved arrow の修正一覧を更新私の記入ミス

私のAmazonレビューでも概要を書いているのですが、初めてこの記事を読まれる方のことを考えてAmazonレビューと内容を重複して説明しようと思います。

よく世の中には、ネットにしろ、テレビにしろ、本にしろ、昼休みの世間話にしろ、デマや誤報に捏造や噂話というものが蔓延っていますが、

今回はとある大学受験参考書についての話です。

 

その著者や日本化学会会員の化学者などにメールで問い合わせたり、大学の専門書を調べて判明したことを書きました。


事の発端は旧版の「化学Ⅰ・Ⅱの新研究」と新版の「化学の新研究」(卜部吉庸著)についてネット上に次のようなプリントのキャプチャ画像が投稿されたのが始まりのようです。


 私はこれをtwitter上で発見しました。現在この投稿をしたアカウントは凍結になっていますが画像自体はネット上のいたるところに広まっているでしょう。
というか、下手にソースが無くなると真実の追求が困難になるから拙いんですよね(理由は後述)。

私はそこで、旧版の「化学Ⅰ・Ⅱの新研究」 と新版の「化学の新研究」の両冊をチェックしました。
その結果、実際には新版の「化学の新研究」では curved arrow の間違いは大部分が修正済みでありました。
未修正の curved arrow もそれなりに残されているのですが、これは著者の化学の無知によって未修正のままなのではなく、理由があってワザと、意図的に修正しなかったということを、問い合わせて卜部先生ご本人から回答をいただいています
このご回答の詳細についても下記に転載しました。

これは駿台文庫「原点からの化学 有機化学<5訂版>」(石川正明著)の前書きにも同様のことが書いてあります(ただ卜部先生と石川先生で curved arrow を直さない理由が細部においても同じであるかは分かりません)。

またこのtwitter投稿とは別に、旧版の「化学Ⅰ・Ⅱの新研究」には curved arrow の誤用があるということが、化学雑誌の化学と教育61巻7号に投稿された高校化学における有機電子論東京大学大学院総合文化研究科教授 村田滋 著という論説文で指摘されています。

そして、村田滋先生のこの論説文では書籍名を伏せて批判しているということにも注意してください。


なのでこの論説文からだけでは、curved arrow の誤用がある大学受験参考書というのが、ドレの事を言っているのかこれだけではまだ確定できません。つまり、旧版の「化学Ⅰ・Ⅱの新研究」なのか新版の「化学の新研究」なのか、それともその両冊なのか、いや、そもそも全く別の参考書なのか確定できないということです。

これらをハッキリするために私は、村田先生や日本化学会などに問い合わせました。
しかしここで村田先生が批判されてる受験参考書が実際には何であるのかの追求は、いったん脇に置いて後で述べることにして次のことを最初に述べることにします。 

[1] 卜部先生が本当に著書にデタラメな curved arrow(有機電子論)を描いてるのかどうかの前にそもそも論として、元々の大学化学の有機電子論、それ自体は本当に正しい理論なのか?


 そこで村田先生がこの論説文の中で主張される、有機電子論とは本当にスゴイ理論で、curved arrow (曲がった矢印、巻矢印)の表記法は優れた手法なのかどうか(村田先生はきわめて高い一般性や、統一的に表記できると述べられています)、私は大学の専門書などと調べてみました。

その結果、実際には大学レベルの有機電子論が、正しい理論なのかどうか科学的な証拠はないそしてその裏付けのない理論から開発された 大学化学のcurved arrow の表記法(巻矢印表記法)不完全な表記法である可能性が強いことが分かりました。このことの詳細は後述しますが、まずは簡単に述べます。

まずは、私が調べた文献から、誰が読んでももっとも分かり易い、次のものを引用します。

月刊「化学」2014年(69巻)3月号 「 有機電子論誕生にかかわった化学者たち 」(細矢治夫著)の段落有機電子論のその後にある言葉です(文字のフォントサイズや色は、私が原文をデコレーションしました)。

現代の有機電子論は理論的な裏付けは棚上げされ、形式的な使い方、つまりレシピ(recipe)だけを教えているようにしか見えないのは筆者一人の偏見であろうか?理論化学の立場から言えば、オクテット則も巻矢印あるところまでは説明できるが、しょせんは便利なmnemonics(暗記術)にすぎないのである。その適用限界をもわきまえて使うのが現代の科学者のとるべきスタンスではないだろうか。

私がこれを読んで思うのは、ネット上に投稿されたプリントを作成した化学者や村田滋先生は、「化学Ⅰ・Ⅱの新研究」や「化学の新研究」を代表例にして大学受験参考書を全般的に批判されているのですが、

つまり、受験参考書は大学の専門書から見れば、デタラメだから読むな、捨てろ、と仰っているのですが、
いやいや、大学の専門書大概なんじゃないのかなって思うんですよね。

私は専門書と受験参考書を同列に扱えとまで言うつもりはないですが、それでも村田先生が論説文「高校化学における有機電子論」の中で主張するほど、そんなに大学の専門書って無批判に受け入れるほどのもの?って思うんですよね(これの詳細も後述)。

このことも端的に示す言葉が、物理学者の田崎晴明先生が執筆された)数学の電子書籍の中にあります。それが次の二つです(これらも原文のフォントサイズや色をデコレーションしました)。

前書きのⅲページの脚注
「 市販の教科書のなかにはおそろしく質の低い物が少なからずあることをを知っておくべきだろう。大学レベルの専門書きわめて安直に出版されていることを考えれば、この質の低さはうなずけるのだが。 」

前書きのⅳページの脚注
「 初学者用の本ならそんなことは当たり前だと思うだろうが、そうでもない。内容を理解しているわれわれが読んでも何が書いてあるのか分からないようないい加減な本や、解き方だけの上っ面だけを書いた人を馬鹿にしたような本が、それなりの値段で売られているのを見ると暗澹たる気持ちになる。 」

他にも、ジョーンズ有機化学の訳者補遺には、(ジョーンズ有機化学を含めた)大学の専門書でもcurved arrow のルールを守っていないという内容が書いてあります。
「巻矢印表記法による電子対の移動」(1版のp.680、3版のp.697)



要するに、「化学の新研究に描いてある curved arrow はデタラメである、だから学生は受験参考書ではなく、大学の専門書で正しい有機電子論を学びなさい」 言う前に、


まずはその大学化学有機電子論が、そもそも本当に正しい理論なのかを証明、あるいは確立なされよ。全てはそれからです。」 ということなのではないかと思うんです。



大学レベルという言葉の権威を笠に、大学教授が高校教師、予備校講師を批判なさる前に、
まずは、村田先生やプリント作成した化学者の方々は、細矢先生などの有機電子論や curved arrow の用法を厳格に従わせることに懐疑的な化学者の方々と議論を尽くすべき、と私は思うのです。

有機電子論に基づく curved arrow での表記法(巻矢印表記法)について
(肯定的な)化学者 vs (否定的な)化学者 の戦いをせずに、化学者 vs 高校教師、予備校講師
 の戦いにするのは卑劣だと思うのです。

有機電子論に懐疑的な化学者の知らない所で、(肯定、推奨したい化学者は)既成事実を作ろうとしているのではないかと、私は勘繰りたくなるんですよね。

よって、素人の私には、村田先生と細矢先生の主張はどちらが正しいかは正確に判断はできないですが、しかしそれでも(村田先生からのご返答内容の不可解な点を再び問い合わせても明確なご回答をいただけなかったことや、他の専門書でも同様なことが書いてあることから)、
そもそも大学レベルの有機電子論が科学的な裏付けを取れていないのだから

「化学の新研究」は、その記述内容がデタラメ云々の話は、実は言い掛かりだったで終わりになりました。

ですが、この件については更に追求してみることにします(なぜ議論をここで終わらせず、まだ続けるのかは後述します)。

[2] (仮に有機電子論が正しいと証明されたとしても)その理論に基づいて開発された大学で習う curved arrow の表記法(巻矢印表記法)も、実際にはかなりいい加減な用法である。


有機電子論が実際に正しい or 正しくないかは、私にはジャッジできませんが、しかしその理論から開発された(大学で習う巻矢印表記法に関しては、いい加減で不完全な表記法であることは素人の私でも判断できます

何故ならそれは、複数の大学の専門書にそのように明記してあったからです。
それはもう、私の化学の素養とは無関係なほどにハッキリと書いてあるんです。
その例が、次の記述の数々です(同様に原文のフォントサイズや色をデコレーションしました


ジョーンズ有機化学(1版(原著2版)のp.204、3版のp.255)
「  巻矢印表記法(curved arrow formalism)という重要な表記方法がある。これは便宜的な方法で、反応過程で起こっていることの概略を表す助けをしているだけであり、いかにして反応がおこっているのかという本当の反応機構(reaction mechanism)を表すものではないでは反応機構とはいったい何であろうか。~(中略)~。反応に関与するもの同士がいかにして互いに接近するかということも、反応機構に含まれる
 このジョーンズ有機化学から引用は卜部先生が「化学の新研究」でも、水素イオンの curved arrow は巻矢印表記法に従わなかったことの合理性を裏付ける記述です(詳細は後述)。



山口達明著「有機化学の理論-学生の質問に答えるノート(第4版補訂)」
この専門書の「有機電子論の限界」の項(p.37)では巻矢印で電子の流れを表記することに関して
「 しかし事実として電子がそのように流れているという保証はない 」

「 有機反応論 」(奥山格著、東京化学同人、2013年)
この専門書の「有機反応機構の検証」の項(p.7)
 「 合理的な反応機構は、複数提案できることが多い。~(中略)~。これらの反応機構はいかに合理的に見えても、それは一つの仮説にすぎない


ジョーンズ有機化学(1版のp.13、3版のp.20)
有機化学(奥山格監修、丸善)にも同様の記述(p.22)
「 第一に、図1・27の巻矢印は何の物理的意味も持たないが、」

ジョーンズ有機化学や奥山格先生は、その著書から巻矢印表記法を肯定、推奨されておられる方です。
その有機電子論を推奨される化学者ですら大学化学の巻矢印表記法の不完全さを認めているのです。

ですので、村田先生が「高校化学における有機電子論」の論説文の中で仰ったように「いや、巻矢印表記法は間違いなく普遍的なルールを持った完全な表記法だ」という方は、これら専門書を執筆した化学者を批判したほうがよろしいのではと存じます。
これは私が専門書を、というより日本語を誤読してたなら話は別ですが。確かに私は専門書の拾い読みで申し上げてるだけではあります(でもアレだけ明記してあるし)。なにより調べてみたら、どうやら 巻矢印表記法それ自体は、そんなに理解するのが難しい用法でもなかったようでしたし。

そしてこれらの事実から判ったのは、巻矢印表記法は不完全なルールであるがゆえに、
通常の curved arrow だけでは反応機構を描けないため、新たな曲線をしたcurved arrow を数々に作り出す、つまり数々の例外ルールを作ってしまっているということなんです。その上、ジョーンズ有機化学と奥山先生の有機反応論で、同じ反応機構なのに巻矢印の表記が統一されてないんですから(転移反応の表記を参照)。
終いには、例外ルールに例外ルールで上塗りするという、もう訳が分からない表記法になっていました。

これほどまでに巻矢印表記法の不完全さに対して、何とか辻褄を合わせるために例外ルールを作っているのに、
新版の「化学の新研究」で卜部先生が水素イオンの curved arrow を巻矢印表記法に従わせていないことについて、(巻矢印表記法を厳格に守れという)化学者の方々が頑なに容認しないのは何故なのか?と思うんですよね。

いまさら、水素イオンの curved arrow の表記だけを厳格に守らせるのは無意味じゃん、って思うのです。
だってそもそも卜部先生の表記が本当の反応機構を表しているのだから。

有機電子論に懐疑的な細矢先生が仰るように、そもそも大学レベルの curved arrow 自体には欠点や限界はあるけども、有用性もあるので大丈夫そうな部分だけは使用しようってスタンスなら理解もできるけど、不完全にも関わらず何から何までルールを厳格に守らせ、それを破るモノはいっさい許さん、というのは無茶苦茶な話だと思うんですよね(完璧なルールだったなら別です)。

このことについての疑問も村田先生に問い合わせたのですが、明確なお答えをいただけませんでした。
最初である「高校化学における有機電子論」の中では、あれほど断固たる主張をされていた(規則に従わなければ0点にする等)のに、私が問い合わせを重ねていくと、最後には「異論や反論など様々な考えがあるのも当然と思います」と仰っていました(これら例外ルール云々や水素イオン云々の詳細も後述します)

繰り返しますが、以上でそもそも論として、大学レベルの有機電子論と、その理論から開発されたcurved arrow の表記法(巻矢印表記法)、それ自体が科学的な証明、あるいは確立がなされていないので、

卜部吉庸著「化学の新研究」に描いてあることはデタラメ云々の批判は、まったくの言い掛かりであったということになりました。


しかし、まだこれで議論を終りにせず(繰り返しますが、まだ追求を続ける理由は後述)、最初にいったん脇に置いておいた、村田先生が投稿した「高校化学における有機電子論」の中で批判なさっている受験参考書が何であるのかを明らかにしたいと思います。

そして、その書籍名が明らかになったことで、あってはならない事実も明らかになりました。


[3] この騒動の核になっている「高校化学における有機電子論」は捏造の論説文である疑い


私がこれから書き記すことは、村田先生やtwitterに投稿されたプリントを作成した大学教員がしてしまったことと同じことをしようとしてるのではないかと恐ろしくなるのですが、やはりどうしてもオカシイ、そう結論するしかないと思っています。

まず第一の結論として、私が村田先生にメールで問い合わせた結果、化学雑誌「化学と教育」61巻7号に投稿された「高校化学における有機電子論」の中で、村田先生が curved arrow の表記を批判している “ 受験参考書の定番とよばれている書物 “ というのは、新版「化学の新研究」ではなく、やはり旧版の「化学Ⅰ・Ⅱの新研究」だと確定しました。

村田先生からのご返答内容には不可解で不明な点が多かったので、再度の問い合わせとした結果、確定となりました。
これは村田先生がまだ出していない情報が無い限り、確定としか言いようがありません(この経緯の詳細も後述します)。
そして、これが確定するとともに、信じられないことも分かりました。

それはそもそもの論説文「高校化学における有機電子論」は、村田先生が捏造して執筆された可能性が強いということです。これが第二で最大の結論です。

どういうことかと言いますと、村田先生は「高校化学における有機電子論」の中で、「化学Ⅰ・Ⅱの新研究」は curved arrow を誤用していると批判することで、大学の化学教育の危機であると仰っています。

つまり村田先生は、(複数冊で誤用を発見したと言いつつも)すべての受験参考書の代表として旧版の「化学Ⅰ・Ⅱの新研究」の一冊だけを選び、高校教師、予備校講師、受験化学の全体を批判しているわけです。

それは、改訂された新版「化学の新研究」では curved arrow は修正されているのに、つまり現在の受験化学は改善されているのに、大学の化学教育の危機は続いていると主張しているわけです。

私は最初、この村田先生の主張に
「 curved arrow ってのが何なのかよく分からないけど、解決済みのことを批判するなんて杜撰な論文だなぁ。改訂版では修正済みのページの curved arrow を誤用だと言ってるってことは、きっと改訂版が出版されてたのを知らないんだろうな。科学者ともあろうものが、よく調べないなんて呆れた」
っていう程度のことだったんです。

もちろん、それ自体だって本当は問題アリです。調査対象を厳密に精密に忠実に調べるのが科学者というもののはずだからです。
それには旧版「化学Ⅰ・Ⅱの新研究」と新版「化学の新研究」の違いを比較検証しなければ、正確なことは判断できないはずです(科学実験のブランクテストみたいなものでしょうね)。
流石に知りようがないような事実、情報だったなら同情の余地もありますが、旧版と新版を比較検証するのは基本中の基本だと思うんです。僕のような素人とは違うのですから。
そしてそれが出来ていれば、高いレベルの論説文やプリント作成ができたはずです

しかし、現実はそれをはるかに上回るものでした。高いレベルの議論とかの次元の話ではありませんでした。

村田先生からのご返答を拝読したところ、村田先生は新版の「化学の新研究」では curved arrow が修正されていたことを当時からご存知でありました。

しかし、(論説文執筆時の大学入試は旧課程入試だったことを口実にして)その事実を意図的に伏せたということなのです。

これは何を意味するのか? それは「高校化学における有機電子論」の全体の構成は、その伏せられた事実とはまったく逆の論調で執筆していたということになるのです。
論じたいテーマに関係のない無駄なデータではなく、論説文の核としている論説とは、まったく逆の結論を導く証拠を伏せていたことを意味しているのです。

私はこれを読んだとき驚愕しました。「それって都合の悪い事実を隠して、真実を捻じ曲げたってことじゃないか?」って思いました。

村田先生のその時の真意(悪意があったのか無かったのか等)が、どんなだったかは確認してません(踏み込んで聞けなかった…)。
でも意図的であったのはハッキリと明記してあることです。

そして意図的に伏せたことは、過失で済むことではないでしょう。
なぜなら有機電子論には(私にはその正否をジャッジできないです。ですがそれにしたって)科学的な裏付けがない以上、「化学の新研究」の curved arrow おける卜部先生の修正の程度では村田先生の意にそぐわないので、そんなのは容認しないとはならないからです。
細矢先生のような(有機電子論や巻矢印表記法に)懐疑的な化学者がいることを、いや、他人の化学者が懐疑的に思ってるというより、村田先生自身の化学の素養として、有機電子論や巻矢印表記法には科学的に証明されていないことを、そもそも知らないはずはないでしょうから(要するに私のような素人とは違うのですから)。
そうなるとやはり、悪意はあったと帰結されるのではないと思うのです。私は細矢先生の “ 理論的な裏付けは棚上げされ、形式的な使い方、つまりレシピ(recipe)だけを教えているようにしか見えないのは筆者一人の偏見であろうか? “ という言葉に共感を覚えるのです。

これも村田先生がまだ出していない情報がない限り、そう結論するしかないと思います。
有機電子論は正しいと証明も確立もされていない。だが巻矢印表記法のルールが絶対に従え!なんて無茶無茶な話があるとは、素人でも到底に思えないからです。


以上のことから、卜部先生の「化学の新研究」の枠をこえて、他の受験参考書、ひいては高校化学、受験化学に対する村田先生やtwitterに画像投稿されたプリントを作成した大学教員の方が批判していることは、あらゆる面で言い掛かりであったということになります。
繰り返しになりますが、まだ出てきていない情報でもない限り、これはそう結論するしかないと思います。


[4] なぜ、今回このような真実でないことが広まってしまったのか?

卜部先生の著書に、言い掛かりやデマが降りかかってしまったわけですが、その一番の原因は村田先生が捏造記事を化学雑誌に投稿したから、ではないと私は思っています。
それも重大な原因(論文捏造は絶対にあってはならないことです)ではありますが、一番の原因ではないと思います。

 これも詳細な理由は後述しますが、一番の原因は日本化学会の名を出してプリント作成したり、化学雑誌にて curved arrow の誤用例を示して説得力を持たせた一方、いちばん肝心の『書籍名や該当部分の具体的箇所を示していない』ということです。

村田先生やネットに投稿されたプリント作成した大学教員が、誤用だデタラメだとするページや書名をピンポイントで示していれば、
「すぐに」真偽を確認することができるだけでなく『容易に』も確認ができるため、確認をとる人達が『多く』現れる可能性があったと思うのです(論文でいうところの再現実験みたいなものでしょうね)。

そうしていれば、村田先生やプリント作成した大学教員が、いくら言い掛かりをつけても今回のようなことにはなっていなかったと思います。

しかし、書名や具体的ページが示されず、他者が検証することが出来ないようにされた為に、
twitterとは別のネット上(私が見つけたのは2ちゃんねる)によって、更にこのプリント画像と村田先生の論説文が結び付けられ、
素人の捏造かも(実際は何処かの大学教員の作成であるのは確かなのでしょう)しれないぺら紙を信じ込んでしまう人が出たということと、そもそも村田滋先生の論説文は旧版の「化学Ⅰ・Ⅱの新研究」について論壇を繰り広げているのに、村田先生の論説文まで新版の「化学の新研究」について論説していると勘違いしている人が出てしまったということなのです。



私が比較検証するのは基本だと述べましたが、それよりももっと問題だと考えているのは(既に述べたことではありますが)
間違いだと主張している具体的なページを示さなかったり、書籍名を伏せてしまっていて、
その結果、他者が事実確認するのを困難にしているということです

再現実験で確かめようがない論文に価値があるのでしょうか?
という話だと思うのです。

今回、 curved arrow のことで日本化学会と村田滋先生に問い合わせしたのは、このデタラメだという割には、それが何で何処なのか明記していないことの危険さを申し上げたかったのが、一番の理由なのでした。

もちろん、明記することの難しさがあるのも事実です(理由は後述)


 それでは、さんざん後述、後述と連呼してきたことを、問い合わせメールを転記することで記載します(また旧版から新版で修正された curved arrow 等の具体的ページは更に下記に記載しました)。


なるべくこのブログを読んでいただく方へ結論から知ってもらうために、実際の問い合わせの時系列とは変えて転記します。実際の時系列は

村田先生への1回目のメール → 日本化学会への1回目のメール → 卜部先生へのメール → 3日後、卜部先生からご返答 → 村田先生への2回目のメール(催促) → 日本化学会への2回目のメール(催促) → (村田先生と日本化学会からは電話で問い合わせても繋がったり繋がらなかったりで、ついに返答を貰えなかったので)ブログ公開 → 村田先生から1回目のご返答 → (ご返答内容に関して)村田先生へ3回目のメール → 村田先生へ4回目のメール(催促) → 村田先生から2回目のご返答 → ブログ更新

ですが

村田先生から1回目のご返答 → (ご返答内容に関して)村田先生へ3回目のメール → 村田先生へ4回目のメール(催促) → 村田先生から2回目のご返答 → 卜部先生からご返答 → 村田先生への1回目のメール → 村田先生への2回目のメール(催促) → 日本化学会への1回目のメール → 日本化学会への2回目のメール(催促)

順番で転記します。


それでは2015年8月10日に、ご返答を頂いた村田先生からのメール(wordファイル)を転記します。
ここでその前に、このご返答を頂くために私が村田先生に差し上げた初めの2通のメール内容を簡単に述べておきます。

私が当時にした質問は、村田先生が書名を伏せて批判した受験参考書はいったい何であるのか?
また駿台予備校の石川正明先生の著書でも curved arrow をワザと大学のルールに従っていないということを言及しました。
 そして(混乱を避けるためという名目かもしれないけれども)書名や具体的ページを伏せられると、事実確認が困難になり真偽の判断ができなること。更にその上、書名が伏せられる等の情報が曖昧にすることがなされると、誤解や虚偽に発展すること。そういった内容でメールを差し上げていました。
また私が最初の2通メールを出した当時は、まさか科学者ともあろうものが、新版では curved arrow が修正されていた事実を意図的に伏せていたとは思いもしませんでした。

ところで村田先生からのご返答が、2ヵ月半(ブログ公開後から数えると12日後)経ってしまったのはお忙しかったからとのことです(間違いの箇所や書籍名などを明記する必要があるのは、こういう相手が返答できない事態や、そもそも私たちが問い合わせするような事態を防ぐのも理由の一つなんですけどね)。
そしてこのメールでは村田先生は、 curved arrow の誤用があった受験参考書は3冊だと仰っています(これらのご回答内容が不可解だったため、私は再び問い合わせをすることにしたのです)。
またメールでは私の本名が載せてあるのですが、ここでは伏せさせてください(理由は下記に転記したメールに書いてあります)。

平成27810

**********様

 平成27628日付メールにていただいた、拙文「高校化学における有機電子論」[化学と教育, 61 (7), 368 (2013).]に関するご質問に対して、以下の通り回答申し上げます。

1) 本稿執筆の経緯
 平成254月頃、ある大学教員から当時の日本化学会会長であった玉尾皓平先生(京都大学名誉教授)宛てに、いわゆる「受験矢印」の大学初等教育における弊害に関する投書がありました。玉尾先生は教育・普及担当であった副会長の下井 守先生(東京大学名誉教授)にこの問題への対応を依頼されました。下井先生は「化学と教育」誌に、高校教育における「曲がった矢印」(以下、巻矢印)の誤用について現状を伝え、高等学校と大学の先生方に注意を促す記事を掲載することが適当と考えられ、記事の執筆を私に依頼されました。私は日本化学会に所属する大学入試問題検討小委員会の委員長を務めており、有機化学を専門としております。
 私は、投書に基づいて調査を行い、受験参考書に誤用とみられる表記があることを確認して、当該記事を執筆しました。但し、大学初等教育への弊害になっているかどうかは根拠がなかったため、誤用の現状を伝えるにとどめ、有機電子論に基づいた正しい巻矢印の用法を解説する内容としました。これは私の判断によるものです。
 執筆した原稿は、下井先生、玉尾先生をはじめ、何人かの先生に見ていただき、6月に化学と教育誌へ投稿しました。編集委員会(宮村一夫委員長・東京理科大学教授)の査読を受け、一部を修正のうえ受理され、掲載に至ったものです。

2) 本稿における巻矢印の誤用について
 私は本稿中で、受験参考書における巻矢印の誤用(本稿でも述べたように、“紛らわしい用例”の方が適切かもしれません)として、三つの反応を挙げました。すなわち、① アルコールへのプロトン化、② エステル生成反応におけるカルボン酸へのプロトン化、③ ベンゼンへの求電子反応、です。それぞれ参照した書籍は以下の通りです。但し、手元には、当該部分のコピーしかありませんので、出版年や第何刷であるかは不明です。

化学Ⅰ・Ⅱの新研究「第5編、第3章 脂肪族化合物」 卜部𠮷庸著(三省堂)、および新理系の化学(下)三訂版「第11 有機化学、2. 有機反応の素反応」 石川正明著(駿台文庫)
化学Ⅰ・Ⅱの新研究「第5編、第3章 脂肪族化合物」 卜部𠮷庸著(三省堂)、および化学の新研究「第5編、第3章 脂肪族化合物」 卜部𠮷庸著(三省堂)
化学Ⅰ・Ⅱの新研究「第5編、第4章 芳香族化合物」 卜部𠮷庸著(三省堂)

 新課程に対応した「化学の新研究」では、①と③に関する誤用は修正されていましたが、当時はまだ旧課程入試が実施されていたことと、現在の大学初年次の学生は「化学Ⅰ・Ⅱの新研究」で学んでいることから、敢えて指摘事項に加えました。

3) 現状とそれに対する所見

 このたびのご質問をいただき、現状を確認することが必要と考え、現在市販されている「化学の新研究」(2015220日発行、第6刷 卜部𠮷庸著、三省堂)、および「原点からの化学 有機化学」五訂版(201472日発行、第1刷 石川正明著、駿台文庫)を購入しました。
 卜部先生のご著書では、一昨年と同様に、上記の①および③については修正されておりましたが、②については右図の通り、これも当時のままとなっておりました(p.562, 「エステル化の反応機構について」)。また、石川先生のご著書では、“大学で有機電子論による表記法と出会ったとき混乱しないように”として、H+の求電子攻撃を破線の巻矢印を用いて表記されていました。
 私はこれらについて、先生方のご著書を批判するつもりはなく、どちらがわかりやすいかなどを議論するつもりもありません。化学と教育誌に述べた通り、私は、もし高校生が有機電子論を学ぶのであれば、正しい理論を学んで欲しいと願っているにすぎません。そのために、興味をもった生徒には入門的な専門書を与えて欲しいと、高等学校の先生にお願いしたわけです。
 卜部先生のご著書では、上記と類似の用法がエステルの加水分解にも書かれておりました(p.565)。引用させていただきますと、
もし、この式が、大学の有機化学において“酸性条件におけるエステルの加水分解の反応機構を説明せよ”という問題の解答として書かれたのであれば、これには0点をつけざるを得ません。有機電子論に基づくと、この反応の機構は次のように表記されます。


プロトン化によってカルボニル炭素の正電荷が増大することを共鳴で表記すること、およびカルボニル基の再生とともにアルコールR’OHが脱離することが重要です。巻矢印を用いると、この過程を矛盾なく表記することができます。
 高等学校の「化学」の教科書には、「発展的な内容」として有機電子論を扱っているものもありますが、私の知る限りでは、正しい表記がなされています。「発展的な内容」は学習指導要領を超えた事項ですので、大学入試で出題することは好ましくありません。しかし、現状では、高度な知識を要求する大学では、「発展的な内容」が入試の題材になることもあり得る状況となっています(私は、けっして良い傾向であるとは思っておりません)。もし、有機化学反応の機構に関する問題が出題されたとして、答案にH+から酸素原子へ巻矢印が書かれていれば、確実に減点になります。わかりやすいとか、バイブルとよばれる受験参考書に書かれているからというのは、正答の根拠にならないことは、高校生や高校教育に携わる皆さんにご理解いただかなければなりません。

以上

東京大学大学院総合文化研究科
広域科学専攻相関基礎科学系
村田 滋

次は、村田先生からのご返答には不可解で不明な点があったので、それに関する私の再問合せのメールです。送信日は9月5日です。
このメールの中で、村田先生のいう “ 受験参考書の定番とよばれる書物 “ は、やはり旧版の「化学Ⅰ・Ⅱの新研究」のみを指しているのではないかと追求しています。そして論説文を捏造している疑いについても言及しています。
他にも、そもそも論として有機電子論や巻矢印表記法は本当に正しいのだろうか?そしてそのルールに従わないと0点にするのは妥当なのだろうか?更にそれから発展して大学の専門書ってそんなに無批判に信頼できるものなのか?ということをご質問した内容になっています。

平成279月5日
東京大学大学院
総合文化研究科広域科学専攻
教授
村田滋 様


村田先生が化学と教育617号の論壇に投稿された「高校化学における有機電子論」に関する私のメールのご返答をくださいましてありがとうございます。
村田先生がご回答されたwordファイルを拝読させていただきました。
それについて不明な点がございましたので、再びメールを差し上げました。


(Ⅰ)誤用例3例についてのご質問と、今回の村田先生のご返答から新たに分かったことについての所見
不明点のご質問のまえに、525日と628日で私がお伝えした中で最も重要なことを簡単に申し上げさせてください。

  1. 情報の詳細が伏せられ曖昧な内容になると、誤解や虚偽に発展するということ。
  2. 特に、曖昧な内容といっても、その伏せかたが『分かる人が読めば、それが何なのか分かる位』には詳細な情報のときに、誤解や虚偽に発展しやすい。
  3. 具体的には、書名を伏せたりといったことをしても、抜粋引用した例文からその書籍が何なのか判断できてしまうということ。
  4. しかしそれが何であるのか判断できてしまっても、本当に具体的な詳細までは分からないので、それに誤解や虚偽が付随してしまうということ。今回の場合だと、旧版「化学Ⅰ・Ⅱの新研究」のことを改訂版「化学の新研究」であると勘違いしてしまうこと等
  5. そこで誤解を解こうとしても、情報源が曖昧(書名や該当ページが示されていない)なために、それが困難となること

以上のことを踏まえまして、次のご質問をいたします。

村田先生が「高校化学における有機電子論」にて記述された “ 受験参考書の定番と呼ばれている書物では、次のような記載がみられる “ にある「定番の書物」とは、(3冊以上の複数冊の中から)化学Ⅰ・Ⅱの新研究」と「化学の新研究」と「新理系の化学(下)三訂版」の3を表したのではなく「化学Ⅰ・Ⅱの新研究」の冊のみを表したもの、ということでありましょうか?

私が改めてこのようにご質問する理由を述べさせていただきます。

村田先生が “次のような記載がみられる“ として指摘された巻矢印( curved arrow )の誤用、アルコールへのプロトン化、② エステル生成反応におけるカルボン酸へのプロトン化、③ ベンゼンへの求電子反応 の三例
が「化学Ⅰ・Ⅱの新研究」と「新理系の化学(下)三訂版」、② 化学Ⅰ・Ⅱの新研究」と「化学の新研究」 、③が「化学Ⅰ・Ⅱの新研究」の3冊を参照されたということですので、
私は駿台文庫の「新理系の化学(下)三訂版(石川正明著)」 を実際に調べました(国会図書館に納本されたものですので版は第一刷であると考えられます)。
ここで、村田先生が仰られる① アルコールへのプロトン化における巻矢印の誤用は「第11章 有機化学、2. 有機反応の素反応」の節にあるということですが、それは「アルコール」の項の「Ⅰ,Ⅱ,Ⅲ 強酸との反応」の小項目(p.150にある反応機構でよろしいでしょうか?

そうであるという前提で申しますと、村田先生が高校化学における有機電子論」にて指摘された誤用例①の記述では、アルコール(R0H)と塩化水素HClにおける反応機構の誤用でありますが、しかし石川先生の書籍での記述はアルコール(R0H)とハロゲン化水素HXでの反応機構として記述されております。
対して「化学Ⅰ・Ⅱの新研究」の「アルコールの反応」の項(p.501)の詳説12p.502)では、アルコール(R0H塩化水素HClでの反応機構として記述されております。

  • つまり①において、村田先生記述と合致するのは新理系の化学」ではなく、「化学Ⅰ・Ⅱの新研究」の記述ということになります。
  • また、②の「エステル化の反応機構について(新課程版p.562巻矢印ついてですが、確かにカルボン酸へのプロトン化は修正されていないのですが、同項目ページ下部の第三級カルボニウムイオンと酢酸の反応機構の巻矢印は新課程版では、修正済みとなっております。しかし、村田先生は新課程版におけるその修正については言及されておりません

これらが意味することは“ たとえば、受験参考書の定番と呼ばれている書物では、次のような記載がみられる“ にある「定番の書物」の巻矢印の誤用、① アルコールへのプロトン化、② エステル生成反応におけるカルボン酸へのプロトン化、③ ベンゼンへの求電子反応 の三例は、
複数冊(3冊以上)の中から「化学Ⅰ・Ⅱの新研究」と「新理系の化学(下)三訂版」と「化学の新研究」の3冊を表したのものではなく、やはり「化学Ⅰ・Ⅱの新研究」の一冊だけを表したものと判断できます。
これは「定番の書物」という記述が単数表記であることや、私だけでなく他者も(一例:ネット掲示板2ちゃんねるそう判断するほどに客観的であります。

これを非常に簡単に申しますと、村田先生は 巻矢印 curved arrow )の誤用がある複数の受験参考書を確認し、その中から代表的な一化学Ⅰ・Ⅱの新研究を選び誤用例を3例抜粋したという誰でもごく一般的に行う方法をなされたということでありましょうか?

つまり書名を伏せた受験参考書が何であるのか、「高校化学における有機電子論」の読者が(混乱を避けるために)追跡できないような(3冊からバラバラに誤用例を抜粋する手段は、実際には講じていなかった、ということでありましょうか?
そうであるという前提で申しますが、やはりそうなりますと、村田先生は「高校化学における有機電子論」にて“ 混乱を避けるため“ に誤った例(書名)を表示しないと仰られましたが、最初からそれは到底に達成できようがなかったのは自明であったばかりか、それから発展して虚偽にしかなりようがなかったということが改めて分かります。


しかし、だから最初から誤用例の3例を複数冊からバラバラに抜粋していれば良かった、とは私は今は考えておりませんその理由は以下のことが新たに分かったからです

村田先生のご返答で新たに分かったこととして、村田先生は高校化学における有機電子論」の執筆当時には既に新課程版化学の新研究」では巻矢印が修正済みものがあることをご存知であったと仰りました。

しかし「高校化学における有機電子論」において、受験参考書での巻矢印は修正済みであることに、村田先生はまった言及されてません。これは絶対に看過してはならなかった問題あります。

何故なら(村田先生などの方々にとっては、それがまだ不完全な状態であっても実際の大学受験参考書では巻矢印の修正を進めて学問的に正しくする方向に向かっております、それが言及されければ「高校化学における有機電子論」の読者はそのように解釈しないからです。
これは私だけでなく他者も(一例:ネット掲示板2ちゃんねる)実際に間違った解釈をした結果になりました。

それどころか高校化学における有機電子論」にて村田先生は新課程版「化学の新研究」にはたくさん修正済みがあった事実を意図的に伏せ現在進行形で誤用がまったく改善されずに化学教育の危機が拡大するといった、事実とは完全に逆の論調で全体を構成して執筆しておられます。
それは村田先生が“ 事態は、筆者が想像していたよりもかなり深刻である “ “ 事態をこれ以上わるくしないために “ や “ 事態は現在よりも、もっと深刻になるに違いない “ “ 大学で化学を学ぶ際に、~(中略)~受験参考書で済ますといった風潮があるとすれば、まさに大学における化学教育の危機である “ と述べられていることからも判断できます。
村田先生からのこの度のご返答のwordファイルでは「大学初等教育への弊害になっているかどうかは根拠がなかったため、誤用の現状を伝えるにとどめ 」と仰らておりますが、「高校化学における有機電子論」を改めて読み返しましても、まったくそう書いてはおられません(これが私だけでなく他者からもそう判断できるほどに客観的であるということは既に述べたとおりでございます)。
また、卜部先生の著書をご批判するつもりはないと仰られますが、村田先生がそのようにお考えになられていても、卜部先生の著書を代表して執筆しているならば「高校化学における有機電子論」の読者はそのように解釈はいたしません(そして実際にそうなっていることは既に述べたとおりです)。
それは書籍名を伏せても無駄であったことも既に述べたとおりでございます。

ここで私が申し上げたいのは、卜部先生や石川先生や更には他の大学受験参考書をご批判なさるな、ということではございません。
しかし、批判されるなら真実に基づく必要があります。決して伏せ事実や情報に反した論調になってはならないことです
それが科学者の務めではないかと存じます。


(Ⅱ)本当の反応機構と巻矢印表記法についての質問
有機電子論は科学的な証拠がないのに、そのルールを守らないと0点や大幅な減点にすることに関するご質問です。

まず初めに村田先生からのご返答にて指摘された、新課程版「化学の新研究」の565ページ[エステル化の加水分解]の補足15の反応機構についてですが、共鳴の表記とアルコールの脱離については(おそらく)修正が次回の増刷か改訂でなされるのではないかと思っております(もちろん実際にどうなるかは卜部先生がご判断することです)。
しかし、触媒のプロトンの付加についての巻矢印は、修正しない可能性もあると思います(これも実際には卜部先生がご判断することです)。
その根拠は卜部先生からのご返答(私のブログに転載してあります)や石川先生の著書にもありますように、実際の反応機構プロトン相手の物質に接近するからでしょう。

私は巻矢印表記法について、大学の専門書も見てみたのですが、ジョーンズ有機化学の1版(原書第2版)と3版によると
第一に、図127の 巻矢印は何の物理的意味も持たないが、
とあり1版のp.133版のp.20、また
 巻矢印表記法(curved arrow formalism)という重要な表記方法がある。これは便宜的な方法で、反応過程で起こっていることの概略を表す助けをしているだけであり、いかにして反応がおこっているかという本当の反応機構(reaction mechanism)を表すものではない。では反応機構とはいったい何であろうか。~(中略)~。反応に関与するもの同士がいかにして互いに接近するかということも、反応機構に含まれる。
とあります(1版のp.2043版のp.255)。
また山口達明著「有機化学の理論―学生の質問に答えるノート (第4版補訂)では巻矢印で電子の流れを表記することに関して
 しかし事実として電子がそのように流れているという保証はない
 
とも書かれています(
37ページの項「有機電子論の限界」)。

巻矢印の表記法は科学的な裏付けなくまた実際の反応機構を表していない便宜的な用法に過ぎないのに、
なぜ村田先生はその用法に従わないものを0点や大幅な減点とまでいうほど厳格に規定されるのでしょうか?
あれ程までに断固たる主張をされるということは、いつの間にか慣習で0点にするようになったのでなく
国際的な機関で0点にするとルール化されているということなのでしょうか?

巻矢印に物理的な意味はない電子がそう流れてる保証はないということは、電子の流れに従ったルールを定めても、それは物理的に見せかけるように辻褄を合わせているだけで、理論が正しい証拠はないということと存じますが、
なのに何故それほどまでに揺るぎないルールになるのでありましょうか?

欠点や限界はあるものの有用性もあるので使用するというのは、止むを得ないこともあるのかもしれませんが、
しかしそれを厳格にルール化し、そしてそのルールを破ることはいっさい認めない、つまり0点や大幅な減点に処すというのは、非合理的というか無茶な話ではないかと存じます。

不完全なルールを強行しても科学が発展するとは、素人ながらには思えないのですが、そうではないのでしょうか?


(Ⅲ)受験参考書と大学の専門書の内容の間違いの優劣について
内容の正確性について、大学の専門書は受験参考書よりも信頼性があるのかどうかの所見です。

村田先生にしろ、twitterで投稿されたプリントを作成した化学者にしろ、一般的に受験参考書には間違いがあり、一般的に大学の専門書には間違いがないという論調で執筆されています。
それは村田先生は“ 様々な一般化学の教科書が~(中略)~有機化学や無機化学の専門書もそろっている “ や “ 化学教育における受験参考書の影響を無視することはできない “ や “ 高校化学の実態を知り “ といった言葉から、またtwitterに投稿されたプリントを作成した化学者についても、
どんな有機化学の教科書を使っても問題ないと主張されてることからも判断できます。

しかし、ジョーンズ有機化学の訳者補遺の「巻矢印表記法による電子対の移動(1版のp.6803版のp697)」に書かれたその内容は、一言でいうと
(ジョーンズ有機化学を含めた)大学の専門書でも巻矢印のルール守っていないとあります。

また、物理学者の田崎晴明先生が執筆された数学の電子書籍には次の記述があります。
市販の教科書のなかにはおそろしく質の低い物が少なからずあることを知っておくべきだろう。大学レベルの専門書がきわめて安直に出版されていることを考えれば、この質の低さはうなずけるのだが。
 (前書きのⅲページの脚注)
初学者用の本ならそんなことは当たり前だと思うだろうが、そうでもない。内容を理解しているわれわれが読んでも何が書いてあるのか分からないようないい加減な本や、解き方だけの上っ面だけを書いた人を馬鹿にしたような本が、それなりの値段で売られているのを見ると暗澹たる気持ちになる。
(前書きのⅳページの脚注)

しかし、村田先生もtwitterに投稿されたプリントを作成した化学者の方も大学の専門書にも間違いがあることにはまったく言及せずに学生に大学の専門書を与えることを薦めておられます
一方、受験参考書で解説の間違いは修正されつつあるのに、やはそのことには言及せずに使用を控えさせようとしています。

大学の専門書を使用しても、大学における化学教育の危機は存在するならば、また大学の専門書にも理論の解説に間違いはあるのならば、
村田先生の化学の専門家が執筆した書物を与えていただきたいといだけの主張には、私は疑問がございます。


名前:*********
ペンネーム:minaken
ブログ: http://logostheoriaphilosophia.blogspot.jp/2015/07/curved-arrow.html


次が私の再問合せの時も、村田先生からご返答がなかったので催促のメールです。
ここでは捏造について念を押した質問や有機電子論と巻矢印表記法の不完全さについて、私が更に調べて、例外ルールや水素イオン云々の詰めた内容になっています。送信日は10月12日です。また、この実際のメールでは9月5日の私のメールを転載していました。
平成27年10月12日
東京大学大学院
総合文化研究科広域科学専攻
教授
村田滋 様
**********

村田先生が化学と教育61巻7号の論壇に投稿された「高校化学における有機電子論」に関して、問い合わせのメールを差し上げた者です。
それのご回答を先々月の8月10日に村田滋先生より頂きましたが、その内容について不明な点がございましたので、先月の9月5日にメールを再び差し上げました。しかし、まだそのお返事をいただけてないようですので、さらに再びメールを差し上げた次第でございます。

そのメールのご質問の内容は下記に転記いたしましたので、ぜひそのご回答をいただきたく存じます。
特に「 (Ⅰ)誤用例3例についてのご質問と、今回の村田先生のご返答から新たに分かったことについての所見 」についてはご回答を最も頂きたく存じます。

ここで(Ⅰ)でご質問したことを要約して申しますと
8月10日に村田先生から頂いたご回答のwordファイルでは、複数冊(3冊以上)の受験参考書の中から(名前を伏せた書籍が特定されるの避けるために)「化学Ⅰ・Ⅱの新研究」と「化学の新研究」と「新理系の化学(下)三訂版」の3冊を選び、その3冊から curved arrow ( 曲がった矢印、巻矢印 )の誤用例を3例、(バラバラに)抜き出したと仰っておられますが、

実際にはそのような手段は講じずに、curved arrow の誤用があった複数冊の受験参考書から一冊を代表して(化学Ⅰ・Ⅱの新研究)選び、その一冊から誤用例を3例抜粋したという誰でもごく一般的に行う方法をなされたということで良いでありましょうか?

また最もお尋ねしたいご質問(Ⅰ)の中でも、更にもっと重要なことをお聞きいたします。これは既に村田先生はご回答のwordファイルの中でハッキリと明記しておられますので、その必要はないのかもしれないのですが、やはりこれは大変に重要なことですのでしっかりとご確認させていただきたいと存じます。
村田先生は「高校化学における有機電子論」を執筆するときには、既に新版(化学の新研究)では旧版(化学ⅠⅡの新研究)にあった curved arrow の間違いが修正されていることを承知していたが、
新旧の教育課程が同時進行中だったという名の下に、その事実を伏、その伏せた事実と逆の調査結果、つまり調査結果の変更や存在しない調査結果などでもって記事を投稿されたということで良いでありましょうか?


そして、残りの二つの「(Ⅱ)本当の反応機構と巻矢印表記法についての質問 」と「(Ⅲ)受験参考書と大学の専門書の内容の間違いの優劣について 」についても要約して改めて申しますと、

有機電子論は実際には、正しいかどうか科学的な裏付けに乏しくその不完全な理論から開発された巻矢印表記法には物理的な意味はなく、 curved arrow (曲がった矢印、巻矢印)で反応機構を描いても実際にその矢印どうりに電子が流れているという保証はない
ということが大学の専門書を調べたところ明らかになりました(詳細は下記の転記メール)。
にも係らず、なぜ村田先生はその不完全なルール(巻矢印表記法)強行、つまりはそのルールに従わなければ0点に処す、と無茶なことを仰られるのでありましょうか?

また今回、追加で数冊の大学の専門書を(拾い読みですが)調べたところ、やはり有機電子論は科学的な正しさが証明されていないようです。

その中で私の疑問とほぼ同じ主張なのが、月刊「化学」2014年(69巻)3月号「 有機電子論誕生にかかわった化学者たち 」(細矢治夫著)の段落「有機電子論のその後にある次の言葉です。
現代の有機電子論は、理論的な裏付けは棚上げされ、形式的な使い方、つまりレシピ(recipe)だけを教えているようにしか見えないのは筆者一人の偏見 であろうか?理論化学の立場からいえば、オクテット則も巻矢印もあるところまでは説明できるが、しょせんは便利なmnemonics(暗記術)にすぎない のである。その適用限界をもわきまえて使うのが現代の科学者のとるべきスタンスではないだろうか。
他には奥山格著「有機反応論」東京化学同人(2013年)の「有機反応機構の検証」の項(7ページ)には、
合理的な反応機構は、複数提案できることが多い。~(中略)~。これらの反応機構はいかに合理的に見えても、それは一つの仮説にすぎない。
とあります。

そして、同著「有機反応論」の6ページや「ジョーンズ有機化学(3版)」の訳者補遺の698ページなどを読んでおりますと、私は巻矢印表記法というルールの不完全さを、素人の断片的な理解ながらも改めて感じております。
それは、通常の巻矢印だけでは反応機構を(推定、提案しようという段階ですら合理的に)描けないため、「渦巻き形の矢印(原子指定の巻矢印)」や「S字形の矢印」や「凹形の矢印」や「破線の価標」といった例外ルール新たに作っていますが、
要はこれは何とか合理性を繕うための辻褄あわせではないかと存じますが、違いますでしょうか。

また不対電子の動きを表す「片羽の矢印(同著「有機反応論」の2ページ)」を新たに作る合理性が不明であります。
なぜなら通常の巻矢印が電子対の動きを表すといっても、共有結合の2つの電子は元々、お互いの原子が(形式的には)一つずつ所有してたもので、反応が進むとき電子が相手に移動するのは一つ分だからです。
両羽と片羽で矢印を使い分けるのは非合理的なのではないかと思うのです。

結合が開裂するにしろ新たに結合が生成するにしろ、電子を互いの原子に分け合い不対電子になるのか、それとも一方の原子に電子が移動してしまうのか、または不対電子同士の結合なのかそれとも一方から移動してきた電子なのかは、
反応物や生成物や中間体の構造式がラジカルになってるのか、形式電荷をもってるのかや、一つの価標から2本の矢印が出てるのか出てないのかで分かる
のではないかと思うのです。

敢えて新たなルール(片羽の矢印)を憶えずとも既存のルール電子式、イオン式)から反応機構を判断できる思うのです。
そしてその非合理な例外ルールをわざわざ作ることで、巻矢印は発散したりぶつかったりしてはいけないという元のルール破ることを認めてしまっています

例外ルールに例外ルールで上塗りしている状態になっているのです

これほどまで例外ルールが存在してるならば、いまさら水素イオンから矢印が伸びることを認めなくするのは無意味ではないかと存じるのですが、そうではないのでしょうか?(そして、そもそも論として有機電子論は科学的な裏付けが乏しいようでありますし)

こういったことや、大学の専門書がそもそも巻矢印表記法を守ってなかったり、物理学者の田崎先生が専門書にも恐ろしく質の低いものが少なからずあると仰られてるのに、なぜ村田先生やtwitterで投稿されたプリントを作成した化学者の方は、大学の専門書をあそこまで無批判に薦められるのでありましょうか

(Ⅰ)のご質問などは答えにくいことがあるやも知れませんが、ご返答をよろしくお願いいたします


名前:**********
ペンネーム:minaken
ブログ: http://logostheoriaphilosophia.blogspot.jp/2015/07/curved-arrow.html

次が、私の催促のメールに対しての村田先生からのご返答です。受信日は翌日の10月13日です。
「高校化学における有機電子論」では、あれほどまでに卜部先生、ひいては受験化学の表記は0点です、絶対に間違いですと仰っていたのが、考えは人それぞれですと仰っています。

私としては、何なんだろうという気持ちなんですよね。そりゃ確かに議論するべきは私ではなく、細矢先生のような科学者なのですが、しかしこのお言葉には、肯定派、否定派の化学者間での議論もしないつもりなのでは、と勘繰りたくなるんです。
そしてこのご回をもってブログを更新することにしました。

*********様

 東京大学教養学部の村田です。メールを拝受致しました。化学と教育誌に掲載された「高校化学における有機電子論」についてご意見をいただき、有り難うございました。

 執筆についてどの書籍を参考にしたかについては、私がお答えできる内容は8月10日に送りました文書がすべてです。再度申し上げますと、

 三つの誤用について、① アルコールへのプロトン化(化学Ⅰ・Ⅱの新研究、新理系の化学(下)三訂版)、② エステル生成反応におけるカルボン酸へのプロトン化(化学Ⅰ・Ⅱの新研究、化学の新研究)、③ ベンゼンへの求電子反応(化学Ⅰ・Ⅱの新研究)であり、出版年や刷数は不明です。旧課程の参考書の誤記を加えたのは、当時はまだ旧課程入試が実施されていたことと、現在の大学初年次の学生はその参考書で学んでいることが理由です

 8月10日に送った回答に付記しましたのは、私の個人的な考えです。反応機構については様々な考え方や表し方があって当然ですので、異論や批判はあると思 �います。ご意見は承りました。申し訳ありませんが、ここで議論する意思はありません。ご容赦下さい。

村田 滋


次に、卜部先生からのご返答を転記します。受信日は6月26日です。卜部先生の手書きを編集部の方が word で打ち直したものとなっています。
私がご質問した内容は、新課程版では修正済みと未修正の curved arrow が混在するのは何か理由あってのことなのかいうことと、その具体的箇所4つの指摘です。
また最後に250文字ほど私へのお礼の言葉や、新研究の世間での評価についての思いを書かれているのですが、割愛しました。


有機化学の反応機構の説明におけるcurved arrow(曲がった矢印)の表記について

 ご指摘のように、有機電子論では価電子の移動によって反応を説明する関係上、電子対の移動を「:→(編集部注:曲がった矢印)」の方向で表すことは承知しております。旧版『化学Ⅰ・Ⅱの新研究』では上記のようになっていない所が多くあり、かなりご指摘を受けておりました。そこで、新版『化学の新研究』では電子対の移動の方向へcurved arrowを変更いたしました。ただし、新版p.562のエステル化の反応機構においては上の約束に従いますと

のように矢印を付けなければなりませんが、この場合、大きなカルボン酸がとても小さな水素イオンを目がけて攻撃するのは、私にはとても違和感があります。やはり、触媒の
+がカルボニル基のOに付加するというのが自然であろうと考えて、矢印をわざと逆向きに残してあります。
 私は、触媒に用いたH+の場合は、例外的にH+の方から付加していくように思われてなりません。これは、新版p.599のプロピレンへの水素イオンの付加でも同様だと考えます。
 しかし、新版p.662の詳説21curved arrowは、逆向きの方が正しい表記と考えられますので、次回の増刷時に訂正いたします。同様に、新版p.756の詳説5の2つめの反応式のcurved arrow も逆向きの方が正しい表記と考えられますので、次回の増刷時に訂正いたします。
 くり返しになりますが、新版p.562p.598のように、水素イオンH+の関係する反応では、水素イオンH+の方が積極的に反応を仕掛けていくと考えられるので、矢印は現行のまま残したいと思います。
 今後、他方面からの指摘が多くあれば変更するかも知れませんが、現在、この点についてはそれほどの指摘はないので、その必要はないと考えております。
(中略)
2015年6月                                  著者   卜部吉庸

次に転記したのが、すべての問い合わせの一番初めである村田滋先生へのメールです。

送信日は5月25日です。ここでminakenの名で送信している理由が書いてあります。
またブログ本文で、有機電子論が実は証明されてない理論と判明しても、それから更に巻矢印表記法もいい加減な表記法だと判明しても、それでもまだ私がブログでの議論を続けた理由がこのメールで書いてあります。
上でも書きましたが、勿論このメールの時点ではまさか科学者が捏造をしてたとは思ってもいませんでした。
メール内容は受験参考書の枠を超えた、スケールの大きな話を展開してて自分でも「よう書いたな」と思うのですが、全文を転記します。

東京大学大学院
総合文化研究科広域科学専攻
教授
村田滋 様

私はインターネット上でminakenと名乗っているものです。実名を明かさずにいること大変申し訳ありません。大変に勝手なことだと存じますが、どうかお許し頂きたいと思っています。
この度、化学と教育617号にて村田先生が執筆された「高校化学における有機電子論」を拝読し、そのことについて、
いくつかお願いを致したくてメールをした次第であります。

先生はこの論壇にて、大学受験参考書の中にはcurved arrow を誤用した解説があることが確認されたと仰られています。
先生はその受験参考書の書名は記しておりませんが、それの““3 高校化学における「曲がった矢印」の誤用””の段落にて、その誤用例を““たとえば、受験参考書の定番と呼ばれている書物では、次のような記載がみられる””とし3点指摘されております。

村田先生が仰られる、この「受験参考書の定番と呼ばれている書物」、或いは複数の受験参考書の中の一冊とは、三省堂出版の卜部吉庸著「化学の新研究」のことでありましょうか?それとも「化学Ⅰ・Ⅱの新研究」でありましょうか?
先生が指摘された誤用例の3点、特に3例目で引用された“陽イオンA^+がベンゼン輪のπ電子に近づいて付加し”の記述から推測するに、これは旧版の「化学Ⅰ・Ⅱの新研究」のことだと存じます。
このことについてお答えをいただきたいのです。

何故このようなお答えを頂戴したいかと申しますと、
  • 改訂版の「化学の新研究」では最低でも先生が指摘された3点のcurved arrowは修正がなされたということ
  • 数日前にインターネットのソーシャルネットワーキングサービスサービス(SNStwitterにて「化学Ⅰ・Ⅱの新研究」「化学の新研究」の両冊でcurved arrow の誤用を日本化学会が問題視しているという投稿がなされ、膨大な人に改訂版「も」未修正であると、間違った認識をされてしまっているということ。
  • twitterの投稿に合わせて、他所のネット上にて村田先生のこの論文が『結び付けられた』等で、真実でないことを真実だと更に信用してしまったインターネットユーザーが現れていること
  • twitterの投稿では「化学の新研究」の何ページに curved arrow の誤用があるのか『明記されていない』ため、それが逆に誤解を解くことを困難にしている」こと
などがあるからなのです。

私も真実を追求することは非常に大切なことだと考える人間です。
そのために私はインターネットショッピングサイトAmazon「化学の新研究」の商品レビューや私のブログ等で、真実を伝えたいと思っております。しかしその際、可能な限り推測のままで記述したくないと考えております。
そのためには日本化学会に所属される村田滋先生のお答えが必要だと考えております。
実名を名乗らない不審な者のお願いでありますが、どうかこれを聞き入れていただけないでしょうか。

そのために、私は「化学の新研究」に関して何の関係も持っていない人間なのですが、ここで一冊の受験参考書にこれほど拘る理由を申し上げることをお許しください。
単純に愛着があるのというのも一つですが、それよりももっと私が重要だと考えているのが、
人類が噂話をし始めたであろう時代からインターネットが普及した現代までずっと続く『虚偽の流布』という悪弊を断ち切りたいと考えるからです。

昔からあるものの現代ではインターネット上の虚偽の流布によって謂われのない誹謗中傷や更には身の危険にまで及びかねない脅迫などが特に広がっているように思います。私は虚偽を流布されたのではありませんがtwitter上で議論したさいに謂われないレッテルを貼られ、身の危険を仄めかす脅迫めいたことを言われたことはありますので、これらをよく理解できます。こんなことは本当に断ち切らねばと思います。
そのために私は、東京大学の平成26年度教養学部学位記伝達式に教養学部長だった石井洋二郎 先生が、真偽の確認に一次情報をあたれと述べた式辞を拝読しました。
私が村田先生にメールしましたのは、石井先生が仰られた一次情報にあたり真実を追求することを実践したいだけでなく、
この人類の悪弊を断ち切る『方法を探りたい』からなのです。

そこで誠に恐縮でありますが、今回の「化学の新研究」の例からそのヒントを見い出すことをお許しください。
今回、「改訂版の化学の新研究」では curved arrow の誤用は(最低でも3箇所は)修正されたのに、なぜ未修正だとインターネット上に誤解されたまま広まっているのか。
それは日本化学会の名を出してプリントを作成した方や村田先生が、改訂したさいの事実確認を(おそらく)されないままプリント配布や論壇で記事を投稿したから、ではないと私は思っています。それもあるとは思いますが、それが一番の原因ではないと思っています。
一番の原因は、日本化学会の名を出してプリントを作成したり、 論壇にて curved arrow の誤用例を示して説得力を持たせた一方、いちばん肝心の書籍名や該当部分の具体的箇所を示していない』ということです。
twitter等にて投稿された画像には真偽を検証できる情報が非常に少ないにも関わらず、信用する人がいるのは残念ではありますが、仕方がないと理解できる部分もあります。
しかし、ここでデタラメだという箇所がピンポイントで示されていれば、「すぐに」真偽を確認することができるだけでなく、『容易に』も確認ができるため確認をとる人達が『多く』現れる可能性があったと思うのです。ここで「初動から」誤解を解くのが遅れたと考えています。
さらに、他所のネット上で村田先生の論壇記事と結び付けられました。twitterでの画像だけではまだ信憑性を疑う人もいたのですが、これにより信用する人が増えた結果になりました。更に他所のネット上でもこういった点と点の情報を線に結びつける』ことが行われているだろうと私は思っています。
村田先生は論壇にて「混乱を避けるため」に誤った例(書名)を表示しないと仰られています。しかしそれは逆に裏目になります。村田先生が論壇にて指摘した書籍はおそらく改訂前の旧過程版「化学Ⅰ・Ⅱの新研究」のことだと存じます。
しかし、ここでその書籍名を伏せたために、その書籍を世間の人達は、twitter等に投稿された「点の情報」と結びつけた結果、村田先生が指摘した書籍は改訂後の新課程版「化学の新研究」なんだと『間違った線の情報』を作ってしまいました。しかも日本化学会や村田先生のような東京大学の教授という名があれば、世間の人達へ更に説得力を持たせます。

基本的に詳細を伏せた情報は誤解を生むのは当然ですが私がそれより問題だと考えるのは、詳細が伏せられると誤解を解くのも困難になる』ということです。そして虚偽に発展するということです。虚偽に発展するにしろ誤解で留まるにしろ、それでは真実の追究が困難になります。
もっとつっこんだことを申しますと『反論する側』が反証できないということです。
私は素人なので学問の世界は分かりませんがこれが学問の世界なら、論文などで新説が発表されたとき、反論する側がそれを少しでも疑わしいと思えば、恐らくその新説を『無視すれば良いだけであり、そして無視ができる世界』なのだと想像しております。ですから新説を「主張する側が証拠を揃える」必要があるのだろうと想像しております。この保守性が学問においては健全さを保っているのかと想像しております。
しかし私達の日常の世界は、少しくらい疑わしくても信用できる要素があれば信用してしまう。それどころか、かなり疑わしくても信用できる要素が「魅力的」らば、それが僅かな信憑性でも私達は信じたい情報を信じてしまう『無視したくても出来ない世界』なんです。
そんな世界では虚偽の情報はあっという間に流布します。情報が疑わしくても無視ができない世界で虚偽を潰すにはどうして『反論する側が証拠を揃える』必要に迫られますそんなときに真偽の疑わしい情報の「詳細が伏せられる」と真実の追求ができないのです。

もちろんこれは危険もあります。情報の詳細が『個人の身元』に関する場合などでは、明らかにすること自体がその個人の身の危険の可能性があったり、反論側が過激な相手だと身元が明らかになったその個人に圧力をかける可能性があるので慎重になる必要があります。
しかし、今回の「化学の新研究」では、詳細な情報を明かすべきケースだったと考えます。
なぜなら
  • twitterの投稿画像(日本化学会の会員の方が作成配布したと決まったわけではありませんが)では書籍名が明記されているので、こうなってはデタラメと主張する箇所を詳細に示すより他にないいうこと。
  • 論壇での村田先生の記事内容ではいくら書籍名を伏せても分かる人が読めば分かるほど詳細』であるということ
だからです。
既に「点の情報の段階」で誤解が広まる要素があるので、これが「線の情報」になれば虚偽に発展し流布されるのが道理なのです。
そしてこの情報の曖昧さと詳細さの中では、反論したい側が反論しづらくなります。これは本当に恐縮なのですが、なぜなら反論しても、知らない振りを決め込まれたり、場合によっては言い掛かりだと逆に反論される恐れがあるからなのです。
つまり一次情報にあたることを恐れるようになるのです。

ですのでお願いいたします。改訂版である新課程版「化学の新研究」では curved arrow は(最低でも村田先生が指摘された誤用は)修正済みであることを、私達の日常の世界の人たちが認識し、更にこれをキッカケに、現代にまでずっと続いている『虚偽の流布』という人類の悪弊を断ち切るため、お力をどうかお貸しください。
それは、そんな世界の住人である私達が疑わしいモノを無視できるようになるためには、疑わしいモノを信じれば問題が起きるということを何度も体感』するしかないのではないかと思うからです。
そして私達にそれを体感させることができる方たちとは、疑わしいモノを『無視できる世界の住人たち』だと思うからです。
どうかお願いいたします。

minaken
twitterのアカウント:https://twitter.com/mi_na_ke_n

ブログ:http://logostheoriaphilosophia.blogspot.jp/

次が村田先生への2回目の問い合わせです。

このメール内では1回目の村田先生へのメールを転記していましたが省略しました。

東京大学大学院
総合文化研究科広域科学専攻
教授
村田滋 様
平成276月28日
***(名前)****

先月の525日にminakenという名で『化学と教育617号「高校化学における有機電子論」についての意見と要望』の名でメールを差し上げた者です。
今回、メールを差し上げたのは、あれからまだ私のメールへのご回答が頂けていないということがございまして、それで再びご連絡いたしました。前回のメール内容も転記いたします。

どうか、村田先生が化学と教育617号「高校化学における有機電子論」にて仰られた、「受験参考書の定番と呼ばれている書物」、或いは複数の受験参考書の中の一冊とは、三省堂出版の卜部吉庸著「化学の新研究」のことであるのか?それとも「化学Ⅰ・Ⅱの新研究」であるのか?
このご回答をいただけないでしょうか。


また、あれから私は村田先生にメールをした後、「化学の新研究」ではどれだけcurved arrow が修正されたのかを調べましたところ、他にもたくさんの修正が見られた一方、未修正のcurved arrowが残っていることを確認しました。
そこで私は著者である卜部吉庸先生に未修正が残っている理由をご質問いたしました。

卜部先生は、有機電子論ではcurved arrow の方向をどちらに向けるか承知しておられました。そしてそれを承知した上でいくつかの反応機構ではcurved arrow をワザと逆向きのままにされたというご回答を頂きました(詳細は後日に私のブログ等で書こうと思っております)。

これは同じ受験参考書である石川正明著「原点からの化学 有機化学 <五訂版>」駿台文庫の前書きにおいても、有機電子論ではcurved arrow の方向をどちらに向けるかを承知したうえで、それでもある反応機構では曲がった矢印の向きを逆にしたと明記されています。
逆向きに curved arrow を描いた理由が、卜部先生と石川先生で細部においてまで全く同じかは分かりませんが、いずれにしろワザと逆向きにしたということであります。

ここで私が申し上げたいのは、卜部先生や石川先生は有機電子論でのcurved arrow の用法を知ったうえで敢えて逆向きにしているのだからその考え、価値観を尊重すべきという思考停止なことではございません

これは新課程版「化学の新研究」ではcurved arrow が大部分修正されたことを、村田先生はご存知じでなかったことを前提に申し上げますが
もし村田先生が新課程版では修正されたことをご承知で更にそれから発展して、卜部先生や石川先生が有機電子論におけるcurved arrow の用法を知ったうえでワザと矢印を逆向きにしたことを、推測あるいは確認しておられたならば
村田先生も「高校生に、矢印は適当に書いてよいという感覚を植えつけてしまう」という考えに至ってしまう前に、「その規則に従わないものは、いたずらに混乱を招く無用のものでしかない。」と断ずるべきかどうかの議論を「化学と教育」の論壇にて展開させることが出来たと思うのです。

村田先生が仰られた「受験参考書ではなく、化学の専門家が執筆した書物を与えていただきたい」や高等学校や大学予備校で正しい有機電子論の授業がなされるとはとても思えない」といった、
つまりは高校教師や予備校講師は学問的な知識など知らないんだという論調より一段上のレベルで議論を展開できたと思うのです

なぜ私がこのように考えるのかと申しますと化学者の中にはcurved arrow の厳格な用法を重視されない方もおられるようだからです( https://twitter.com/tsuyu2011/status/601652353364676608)。
このような化学者もおられるということは、curved arrow の用法に従わないと主張する高校教師や予備校講師などいっさい相手にする必要はない、とは村田先生もお考えにならないだろうと私は思うからです。

この私の主張は、新課程版「化学の新研究」ではcurved arrow が大部分修正されたことを、村田先生はご存じではなかったことを前提にしておりますので
いずれにしても「高校化学における有機電子論」にて主張された「受験参考書の定番と呼ばれている書物」、或いは複数の受験参考書の中の一冊とは、三省堂出版の卜部吉庸著「化学の新研究」のことであるのか?それとも「化学Ⅰ・Ⅱの新研究」であるのか?を確認する必要がございます。ご回答をいただけないでしょうか。

名前:**********
ペンネーム:minaken
twitterのアカウント:https://twitter.com/mi_na_ke_n

ブログ:http://logostheoriaphilosophia.blogspot.jp/



次に日本化学会へのメールです。

このメール内では村田先生への1回目のメールを転記してるのですが、それも上記で既に載せてるので割愛しました。

 公益社団法人 日本化学会 
総務部 御中
平成27年5月28日

私はインターネット上でminakenと名乗っているものです。実名を明かさずにいること大変申し訳ありません。大変に勝手なことだと存じますが、どうかお許し頂きたいと思っています。

この度、メールいたしましたのは、先週の520日にインターネットのソーシャルネットワーキングサービス(SNStwitterにて「化学Ⅰ・Ⅱの新研究」と「化学の新研究」の二冊で curved arrow の誤用があると日本化学会が問題視しているという投稿がなされたことについてであります。
この投稿された画像のとおり、日本化学会は旧版の「化学Ⅰ・Ⅱの新研究」だけでなく改訂版の「化学の新研究」においても curved arrow の記述がデタラメなので問題視しておられる。というのは事実でありましょうか?

何故このようなご返答を頂戴したいかと申しますと
  • 日本化学会の会誌「化学と教育」の617号にて投稿された「高校化学における有機電子論」では(おそらく)旧版の「化学Ⅰ・Ⅱの新研究」に限ってcurved arrow の誤用があると指摘がなされていること(詳細は後述)
  • 改訂版の「化学の新研究」では、少なくとも「高校化学における有機電子論」にて指摘された3点のcurved arrowは修正がなされたということ
  • SNStwitterにて「化学Ⅰ・Ⅱの新研究」と「化学の新研究」の二冊ともで curved arrow の誤用を日本化学会が問題視しているという投稿がなされた結果、膨大な人に改訂版「も」未修正であると、間違った認識をされてしまっているということ。
  • twitterの投稿に合わせて、他所のネット上にて「高校化学における有機電子論」の記事が『結び付けられた』等で、真実でないことを真実だと更に信用してしまったインターネットユーザーが現れていること
  • twitterの投稿では「化学の新研究」の何ページに curved arrow の誤用があるのか『明記されていない』ため、それが逆に誤解を解くことを困難にしている」ということ
などがあるからなのです。

本当は何が真実であるのかを明らかするために、私はインターネットショッピングサイトAmazonの「化学の新研究」の商品レビューや私のブログ等で、このことを伝えたいと思っております。

しかしその際、可能な限り推測のままで記述したくないと考えております。
そのためには日本化学会のお答えが必要だと考えております。
実名を名乗らない不審な者のお願いでありますが、どうかこれを聞き入れていただけないでしょうか。

私は525日に上記よりも詳細な内容で、「高校化学における有機電子論」の執筆者である村田滋先生にメールを差し上げたのですが、
その内容を村田先生だけの問題と捉えずに、日本化学会の中でも周知していただいて、科学者全体の問題と捉えていただきたいと切に願っております。そのこともこちらにメールを差し上げた理由の一つであります。

以下に村田先生に差し上げたメールと同一内容を記載いたします(下記でリンク先の一つであるインターネット掲示板「2ちゃんねる」でのURLは時間経過により閲覧できなくなる可能性を考慮して、上記のURLはそれのキャッシュであります)。
また村田先生からのご回答はまだ頂戴しておりません。

minaken
twitterのアカウント:https://twitter.com/mi_na_ke_n


 最後が日本化学会への2回目のメールです。

たとえ誤情報やデマ情報であっても、そのソースが無くなると真実の追求が難しくなる理由が、このメールで書いてあります。
またこのメールでは村田先生への1回目と2回目、そして日本化学会への1回目のメールを転記していました。

公益社団法人 日本化学会 
総務部 御中
平成277月7
***(名前)***

先月の5月28日にminakenという名で『 日本化学会の名でインターネット上に誤った情報が投稿されたことについての質問と要望 』の件名でメールを差し上げた者です。
今回、メールを差し上げましたのは、あれからまだ私のメールへのご回答が頂けていないということがございまして、それで再びご連絡いたしました(前回のメールも下記に記載いたします)。
ソーシャルネットワーキングサービス(SNStwitterて「化学Ⅰ・Ⅱの新研究」と「化学の新研究」の二冊で curved arrow の誤用があると日本化学会が問題視しているという投稿がなされたことについて、

どうか、日本化学会は旧版の「化学Ⅰ・Ⅱの新研究」だけでなく改訂版の「化学の新研究」においても curved arrow の記述がデタラメなので問題視しておられる。というのは事実であるのか
ご返答をいただけないでしょうか?

現在、問題の投稿がなされたtwitterはアカウントごと凍結になっているようですので、こちらで画像として添付いたします。

ここで問題の画像の投稿ツイートはなくなったわけですが、私はそれで良い方向に向かっていくとは考えてはおりません。それはインターネット上に画像が既に拡散してしまっているということもそうですが、
私がそれ以上に問題だと考えておりますのが、例えネット上から画像がすべて消え去ったとしても
膨大な数の人々の記憶には、もう既に刻み込まれてしまっているということです。
前回までのメールにて申し上げましたように、誤解から虚偽に発展するのはここからが本番なんだと私は想像しております。

この誤解を生んだ情報源がなくなった上に更に人々の記憶には残っている。この状態が尾ひれを付けて広まり虚偽へと発展するのではないかと想像しております。

情報源が最初から存在しないのならば、誰も見たことが無いのだからということで信用性は低くなり虚偽が広まるのは鈍いと推測しています(とはいえ、鈍くてもそれが魅力的な内容ならば生き残りつづけるでしょう)。
しかし確かに一次情報が存在した場合、例えそれが消えてなくなったとしても、人は確かに「自分の目」見たのですから、誤解を広めることに躊躇しなくなると推測しています。
しかも一次情報がなくなってしまったのですから曖昧な記憶から尾ひれがついていきます(ここでもし一次情報が残っていたら尾ひれがつくことを防ぐ効果があるので、虚偽への発展は小さくすむと推測します)。

そこへさらに別の情報と結びつくとその虚偽は強固に信じられてくと推測します。それはtwitterの投稿と村田先生の論壇が結び付けられたようにです。

そうなった状況で、誤解や虚偽を解くにはどうすれば良いか。人々に強固に信じられ、そして強い魅力をもった誤情報を砕くにはどうすれば良いか。
それは間違いの原因である一次情報を発信した人が、真実を明らかにするということだと考えております。

本人から出た言葉ならば、それがどんなに強固に信じられようと魅力があろうと、人々は虚偽と認識すると考えています。
ただ、今回の場合、twitterに投稿されたプリントを作成した教員が誰であるのか判明しておりませんので、代わりに日本化学会にお答えをいただきたいと存じます。
ここでプリントを誰が作成したのか分からないというのは、それは身元が明らかでないという意味ではなく、プリント作成者に確実にコンタクトを取れるか不明であるという意味であります。

本当はプリント作成した当人に問い合わせ、旧版の「化学Ⅰ・Ⅱの新研究」とは違い、改訂版の「化学の新研究」では curved arrow大部分で修正済みであり、未修正は意図的にそのままにしてあるということを知っておられたのかどうかを確認したいのですが、恐らくそれは困難かと考えておりますので、その部分については私の推測でAmazonのレビューや私のブログに記述せざるをえないと考えております。

ですから、お願いいたします。『せめて』日本化学会は改訂版の「化学の新研究」においても curved arrow の記述がデタラメなので問題視しておられる。というのは事実であるのかどうか『だけでも』、ご返答をいただけないでしょうか?


また私は今回、化学の新研究の著者である卜部吉庸先生に改訂版において curved arrow を修正したものと未修正のままのが残っている理由をお尋ねいたしました。
卜部先生は、有機電子論ではcurved arrow の方向をどちらに向けるか承知しておられました。そしてそれを承知した上でいくつかの反応機構ではcurved arrow ワザと逆向きのままにされたというご回答を頂きました。
このことは村田滋先生への2度目のメールにも記載しております。このメールに転載いたしますので併せて読んでいただきたいと存じます(そして村田先生からはまだご返答を頂戴しておりません)。
また下記に転載した村田先生への2度目のメールのなかで、私は 「化学者の中にはcurved arrow の厳格な用法を重視されない方もおられる」と書いて転記したURLのリンク先では、その化学者が引用したツイートがなくなっておりますが、その引用ツイートは今まさに問題にしている curved arrow のプリントのことについてです。(問題のツイートをした方のアカウントが凍結されたので併せて、ツイートもなくなったようです)
よろしくお願いいたします。


名前:*********
ペンネーム:minaken
twitterのアカウント:https://twitter.com/mi_na_ke_n

ブログ:http://logostheoriaphilosophia.blogspot.jp/

これが化学の新研究のcurved arrow デタラメだったのかどうかの結論です。 

だけど、村田先生の論説文は日本化学会で複数の科学者の査読を受けていながら、今回の事態が起きたことなども、いづれこのブログで考えていこうと思ってます。

まぁそれはそれとして、こんなすっごい長文を読んでくれて本当にありがとうございます。
私もこんな長文をよく書いたもんだと思います。これが出来たのもひとえに僕が暇だったからだね。

さて、ここから下記の内容は、読者の方々が私の話を一方的に鵜呑みにしないため実際に旧版から新版で何処の curved arrow が修正済みやワザと未修正なのかの具体的なページ箇所です。

 

未修正の curved arrow が残ってる理由を、容易に推測できるものは卜部先生から確認を取りませんでした。

 

2015年11月15日 内容更新 : 私が作成した curved arrow の修正一覧において、修正済みを未修正と記入ミスしてました(販売されてる実際の新版では最初からちゃんと修正されてます)。卜部先生、申し訳ありません


1: 477(505)ページ、[メタンの製法]
  •  詳説10の水素イオンのメチルアニオンへの反応機構
    •  未修正
      •  ワザとウッカリの見逃しどうかは、未確認
2: 485(513)ページ、[アルケンの酸化反応]
  •  補足14の水付加
    •  同上
      •  同上
  •  補足15の水素イオン付加
    • 同上
      •  同上
3: 491(520)ページ、[SCIENCE BOX]
  •  水素の転移反応
    • 同上
      •  同上
4: 498(528)ページ、[メタノールとエタノール]
  •  詳説2の水素の転移反応
    •  同上
      •  同上
5: 501(531)ページ、[アルコールの反応]
  •  詳説12の塩化水素による置換反応と、詳説14の触媒の水素イオンの付加
    • 2か所とも、修正済み
5: 505(535)ページ、[SCIENCE BOX]
  •  1-ブタノールへの触媒による水素イオン付加と、ネオペンチルアルコールへの触媒による水素イオン付加
    • 2か所とも、修正済み
6: 512(542)ページ、[アセトン]
  •  補足12のエノールの水素の転移
    •  未修正
      •  ワザとウッカリの見逃しどうかは、未確認
7: 518(548)ページ、[ギ(蟻)酸]
  •  詳説8の水素の転移
    •  同上
      •  同上

8: 518(548)ページ、[酢酸]
  •  詳説14の加水分解の水素イオン
    •  同上
      •  同上
9: 532(562)ページ、[SCIENCE BOX]
  •  触媒の水素イオンの付加
    •  同上
      •  未修正はワザとだと著者に確認済み
  •  第三級カルボニウムイオンとカルボン酸の反応
    • 修正済み
10: 535(565)ページ、[エステルの加水分解]
  •  補足15の触媒の水素イオン付加と、詳説16のカルボン酸からアルコキシドイオンへの水素の反応
    •  未修正
      •  ワザとかウッカリの見逃しどうか未確認
11: 550(582)ページ、[ベンゼンの置換反応]
  •  本文1と、詳説12と、詳説13と、詳説14と、詳説16
    • 7ヶ所すべて、修正済み
12: 553(585)ページ、[酸化反応]
  •  詳説21のアセトフェノンの水素イオン転移と、詳説22の安息香酸からベンジルアルコキシドへの中和
    •  2ヶ所とも、未修正
      •  ワザとかウッカリの見逃しどうか未確認
13:  566(598)ページ、[フェノールの製法]

  •  詳説18のプロピレンへの水素イオンの付加と、詳説20のクメンヒドロキシペルオキシドへの水素イオンの付加
    • 2ヶ所とも、 同上
      •  未修正はワザとだと著者に確認済み
  •  詳説18のイソプロピル陽イオンとベンゼンの置換反応
    • 修正済み
 14: 569(601)ページ、[安息香酸]
  •  詳説5のベンゼンへの水素イオンの結合
    • 修正済み
 15: 572(604)ページ、[サリチル酸の製法]
  •  詳説9のナトリウムフェノキシドとカリウムフェノキシドへの二酸化炭素の攻撃と水素の脱離
    •  2ヶ所とも、未修正
      •  ワザとかウッカリの見逃しどうか未確認
 16: 589(624)ページ、[SCIENCE BOX]
  •  亜硝酸の酸塩基反応
    •  同上
      • 同上
  •  アニリンへのニトロソニウムイオンの配位結合
    • 修正済み
 17: 590(623)ページ、[カップリング]
  •  詳説21のベンゼンジアゾニウムイオンとフェノキシドイオンの反応
    •  修正済み
  •  フェノキシドイオンの水素の転移
    • 未修正
      •  同上
 18: 591(625)ページ、[SCIENCE BOX]
  • ベンゼンジアゾニウムイオンと2-ナフトールの反応中間体(安定)の水素イオンの転移
    •  未修正
      •  同上
  • 他の4ヶ所の curved arrow
    • すべて修正済み
19: 608(644)ページ、[グルコースの還元性]
  •  詳説9のグルコースの転移反応
    •  未修正
      •  ワザとかウッカリの見逃しどうか未確認
20: 625(662)ページ、[ビスコースレーヨン]
  • 詳説21
    •  2ヶ所とも、未修正
      •  ウッカリだと著者に確認済み
 21: 630(667)ページ、[アミノ酸の性質]
  • 補足8の水素転移
    •  未修正
      •  ワザとかウッカリの見逃しどうか未確認
 22: 630(667)ページ、[アミノ酸の電離平衡]
  • 詳説10の2つの中和反応
    •  2ヶ所とも、同上
      •  同上
 23: 638(675)ページ、[ニンヒドリン反応]
  • 詳説17の水素の転移
    •  同上
      •  同上
 24: 685(728)ページ、[6-ナイロン]
  • シクロヘキサノンオキシムへの触媒の水素イオン
    •  同上
      •  同上
 25: 686(731)ページ、[ビニロン]
  • 詳説14のホルムアルデヒドへのヒドロキシ基の付加
    •  同上
      •  同上
 26: 688(734)ページ、[ポリウレタン]
  • ヘキサメチレンイソイアートとブタンジオールの付加と、補足17の水素の転移
    •  2ヶ所ともに、同上
      •  同上
 27: 696(742)ページ、[フェノール樹脂]
  • 詳説12の(1)のフェノールの水素
    •  同上
      •  同上
  • 詳説12の(1)のホルムアルデヒドの炭素と、(2)のメチロールフェノールの縮合する炭素
    • 2ヶ所ともに、修正済み
 28: 708(755)ページ、[陰イオン交換樹脂]
  •  詳説5のクロロメチルメチルエーテルと触媒AlCl3の反応
    •  修正済み
  •  ベンゼンとクロロメチル基の置換反応
    • 未修正
      •  ウッカリだと著者に確認済み

さらにここから下記の内容は

旧版から新版で(curved arrow 以外の)間違いが修正された具体的ページの提示です。

主に旧版の化学ⅠⅡの新研究の実際の読者が対象者です。


 764(2+762)ページ、全ての内容を読み終えたところ、本書の解説についてAmazonレビューの≪例(2)≫≪例(3)≫での判断に基づき、以下の記述の修正を確認しました。
該当の文は旧課程版からの引用ではありますが、しかし新課程版だけの所持者でも何が修正されたのかある程度の想像ができるように引用してあります。該当ページについては旧課程版、そして()内は新課程版です。
また、新課程版になって解説の理論的間違いの修正だけでなく、正しい解説をさらに詳しく追加されている記述も沢山あるようですが、レビューの論点を絞ることと、正しい内容を補強するより間違った内容を正しく理解する方が緊急性が高いことから割愛しました。
  1.  32(32)ページ、[電子親和力]の本文「。一方、希ガスの~(中略)~安定なので、」の記述内と、同ページ補足14の「。しかし、第2、第3、~(中略)~を除いて負の値となり、」の記述内
  2.  50(55)ページ、[分子の極性]の補足19「共有結合では~(中略)~あるという)ので、」の記述内
  3.  54(60)ページ、[ファンデルワールス力]の補足28の波線上「、極性をもつ物質の方が~(中略)~少し高くなる。」の記述内
  4.  56(62)ページ、[水素結合]の本文「、融点や沸点および蒸発熱も異常に大きい。」の記述
  5.  65(73)ページ、[化学結合と物質の性質]の補足53「、ファンデルワールス力や極性引力には~(中略)~だけは方向性をもつ。」の記述内
  6.  67(75)ページ、[原子量]の詳説2「、質量欠損~(中略)~などが原因と考えられる。」の記述内
  7.  92(100)ページ、[状態変化とエネルギー]の本文の用語「蒸発(気化)」「凝縮(液化)」と、同ページの本文「、固体1molが完全に液体に~(中略)~融解熱という。」と93(101)ページの本文「、液体1molが~完全に凝固するまでに、」と詳説9「一定温度の液体1molを、完全に~(中略)~を蒸発熱という。」、さらにまた同じく93(101)ページの本文「、気体1molが凝縮して完全に液体に~(中略)~が放出される。」と「固体1molが完全に気体に~(中略)~ほぼ等しくなる。」と式「昇華熱≒融解熱+蒸発熱」。つまり新課程版ではこの単元での“完全に”や、逆の言葉の“ほぼ”“≒”といった言葉がすべて削除。
  8.  99(109)ページ、[状態図]の参考「、水以外ではアンチモン~(中略)~Biに見られるだけである。~(中略)~-22度に達する。氷(密度小)⇔水(密度大)」の記述内
  9.  125(136)ページ、[SCIENCE BOX]の「、すき間の多い水の~(中略)~単独の水の~(中略)~と考えられる。」の記述内。
  10.  133(145)ページ、[溶解度と温度の関係]の参考「、水面付近では酸素と窒素の分圧は0に近づく。~(中略)~分子の数は0になり、~(中略)~気体が0となるはずである。~(中略)~溶解度は0ではない。」の記述内と、134(146)ページの本文「Bグループの~(中略)~一部反応するが、」と「Cグループの~(中略)~大部分反応して~(中略)~。」の記述内
  11.  140(152)ページ、[1mol/L NaCl水溶液の調整]の詳説5「溶質を直接メスフラスコの中で溶かさない方がよい。」の記述内と、同じく詳説5「、メスフラスコ~(中略)~癖をつけておいた方が良い。」の記述内
  12.  141(153)ページ、[質量モル濃度]の補足7「希薄溶液とは、一般に0.1~0.2mol/l程度以下の溶液をさす。」の記述内
  13.  147(159)ページ、[凝固点降下度の測定]の本文2「、30秒ごとに温度計の目盛を読み取り、」の記述内
  14.  154(166)ページ、[半透膜とは]の詳説1「、セロハン幕は~(中略)~通貨させてしまうので、~(中略)~対しては半透膜とはいえない。」の記述内
  15.  159(171)ページ、[コロイドとは]の補足4「このように、コロイド粒子より少し大きい粒子が分散した状態を~(中略)~乳濁液(エマルション)とがある。」の記述内
  16.  161(173)ページ、[コロイド溶液の調整と透析]の本文「沸騰水に~(中略)~一気に加えると、」の記述内
  17.  162(174)ページ、[SCIENCE BOX]の「ヒトの腎臓内にあるボーマン嚢とよばれる部分では、」の記述内と「、必要成分もすべて取り除かれてしまうので具合が悪い。」の記述内
  18.  165(177)ページ、[SCIENCE BOX]の第2段落から第3段落までの記述
  19.  169(181)ページ、[保護コロイド]の本文「、墨汁は、疎水コロイドである不安定な炭素のコロイドに対して、」の記述内
  20.  188(200)ページ、[SCIENCE BOX]のエネルギー図で描かれているNaCl(固)の生成反応についての矢印の向き
  21.  189(201)ページ、[SCIENCE BOX]の第7段落「、溶質のエントロピーは必ず増大する。」の記述
  22.  209(221)ページ、[平衡状態]の本文「。図(a),(b)より,温度,体積が一定で,」の記述
  23.  227(240)ページ、[溶解度と溶解度積の関係]の参考「、もし共通イオンを~(中略)~それほど移動しない。」の記述内
  24.  232(245)ページ、[アレニウスの定義]の本文「、「酸とは、水溶液中で水素イオンを生じる水素化合物である」と定義した」の記述と「、「水溶液中でH^+、OH^-を生じる物質を酸・塩基である」としているので、」の記述
  25.  235(248)ページ、[共役な酸・塩基]の参考「濃硫酸(98%)、~(中略)~、酸性も弱いのは次の通り。」の記述内と「、水よりも~(中略)~強さは弱まることが予想される。」の記述内
  26.  249(265)ページ、[中和反応]の詳説3「アンモニアNH3と硫酸との中和の場合、~(中略)~生成することもある。」の記述内
  27.  250(266)ページ、[塩の生成]の本文「以上より、Na2Oは1価の塩基、CaOは2価の塩基と~(中略)~。」の記述内
  28.  263(279)ページ、[適定曲線]の補足22「、pHjumpのほぼ中点が~(中略)~と見なしてよい。」の記述内
  29.  288(304)ページ、[代表的な酸化剤・還元剤]の過酸化水素についての本文「、中間の不安定な状態にあり、」の記述と補足18「しかし、~(中略)~希硝酸は6mol/l以下なので、~(中略)~、結局、反応速度としては~(中略)~大きくなる。」の記述内と、熱濃硫酸についての本文「高温に熱すると、化合物が分解しやすくなってSO2を発生するようになり、酸化作用を示す。」の記述
  30.  300(317)ページ、[イオン化列と金属の反応性]の参考「さらに、NOはH2により還元される反応もおこり、N2、NH3、N2Oなどの混合気体が発生する極めて複雑な反応になるに違いない。」の一文を全て削除
  31.  304(321)ページ、[ボルタ電池]の本文「、一般に、電池の放電により極板に生じた物質によって起電力が低下する現象を電池の分極という。」の記述内の修正と「。このように、分極を防ぐために加えられる酸化剤をとくに減極剤という。」の一文を全て削除
  32.  309(327)ページ、[乾電池]の本文「、黒鉛の粉末(MnO2は電導性がよくないため、電気抵抗を小さくするために、~(中略)~)と、」の記述と310ページの記述の全て
  33.  311(329)ページ、[鉛蓄電池]の補足24「Zn2+のほとんどが錯イオン(310)に変化しており、」の記述と補足25「、電解液がZnSO4aqだけならまず問題なく進むが、H2SO4aqが加えられていると、~(中略)~、2H+ + 2e- → H2 の反応の方が優勢となる。」の記述と補足27「、ともに分極の原因となる。」の記述
  34.  313(331)ページ、[その他の実用電池]の本文「、MnO2のように、~(中略)~多量の黒鉛を~(中略)~体積を減少できる。」の記述内
  35.  315(334)ページ、[SCIENCE BOX]の[1]アルカリマンガン乾電池の「中央にHgでアマルガム化(Znの自然溶解を防ぐ)した亜鉛粉末を30~40%KOH水溶液と」の記述の修正と、(1)式のZn+4OH- → [Zn(OH)4]2- + 2e- と(2)式の[Zn(OH)4]2- → Zn(OH)2 + 2OH- の反応式の修正と、オキシライド乾電池ついての記述「、長時間使用しても電圧が低下しにくい特徴をもつ。」の一文を全て削除
  36.  316(335)ページ、[SCIENCE BOX]の本文「、リチウムイオンLi+をインターカレート(包接)した材料」の記述内と、「とLi+との層間化合物、」の記述内と、化学物質の「LiClO2」と、「(メモリー効果)が少なく、」の記述内
  37.  336(356)ページ、[水素]の詳説3「さらにNOがH2によってNO→N2O→N2→NH3のように」の記述内
  38.  340(361)ページ、[フッ素F2]の本文「酸化作用が最強で、」の記述
  39.  340(361)ページ、[塩素Cl2]の詳説7。さらし粉と塩酸の反応で、塩素と水の平衡反応に起因すると説明してたのを、次亜塩素酸と塩酸の酸化還元反応に起因すると修正。次に、補足9の塩素と水の平衡反応の解説もすべて修正
  40.  342(363)ページ、[フッ化水素HF] → Amazonレビュー≪例(2)≫も参照。補足17で、反応の原動力を(1)加熱によるフッ化水素の揮発性と(2)硫酸カルシウムの沈殿によると解説してたのを、弱酸の塩と強酸との反応が原動力と修正。加熱の理由も反応の原動力でなく、溶解度の高いフッ化水素を強引に揮発させるためと修正。次に補足20「すなわち、中心のSi4+は~(中略)~をつくりやすいのであろう。」の記述を一文すべて削除
  41.  343(364)ページ、[塩化水素HCl] → Amazonレビュー≪例(2)≫を参照
  42.  356(378)ページ、[硫酸の性質] → Amazonレビュー≪例(2)≫も参照。濃硫酸の性質の項「不揮発性の酸なので、揮発性の酸の生成に用いられる。」の記述が削除。それに伴って詳説35が全て削除。また希硫酸の性質の項では、濃硫酸も強い酸性を示すと新課程版で加筆。それに伴って旧課程版の詳説38が全て修正し、564ページの[フェノール類の性質]の囲み記事内が修正
  43.  362(384)ページ、[二酸化窒素]の詳説14「、140以上に熱すると無色になる。これは~(中略)~解離してしまうからである。」の記述内
  44.  363(385)ページ、[硝酸の性質] → Amazonレビュー≪例(2)≫も参照。本文「実験室では、~(中略)~加えて熱する。」の記述内。それに伴って詳説18も全文が修正。また補足21「。不動態となったFeやAlを改めて~(中略)~H2は発生しないし、CuSO4水溶液に入れてもCuは析出しない。」の記述。同じく補足21「。つまり、不動態化した金属表面は、~(中略)~考えられる」の全文修正。
  45.  365(387)ページ、[リンの単体]の補足28「、側薬中の赤リンから少量の黄リン(P4分子)が気化し、自然発火する。」の記述内
  46.  375(397)ページ、[SCIENCE BOX]の地球温暖化について「、最近では360ppmと急激に増加しており、21世紀初めには400ppmにせまる勢いである。」の記述で、CO2濃度を360ppm→380ppmに修正し、400ppmに達する時期を21世紀初めから2020年頃と具体的に修正。また産業革命の時期から平均気温が1度上昇するまで期間を、現在まで→2000年までに修正。そして、CO2濃度が450ppmに達したときの平均気温を、約2.5度上昇としてたのを1~2度に修正。これら数値の修正に影響されて温暖化の環境破壊の予想2について、現在の穀倉地帯が、砂漠化→乾燥化に修正し、「一方、現在の乾燥地帯の緑地化はごく徐々にしか~(中略)~穀物生産の減少が心配される」の全文を、農業だけでなく工業も含めた水不足に陥るとする内容に修正。
  47.  386(409)ページ、[気体の発生装置] → Amazonレビュー≪例(2)≫も参照。詳説7「濃硫酸の酸としての性質は弱く、~(中略)~利用したものである。」の記述
  48.  391(414)ページ、[アルカリ金属の単体]の詳説4「密度4.0g/cm^3以下の金属を軽金属といい、」の記述内
  49.  393(416)ページ、[SCIENCE BOX]の本文「また、炎の中には炭化水素の原子から放出された電子も」の記述内
  50.  395(418)ページ、[水酸化ナトリウム]の補足12「この反応は、塩基性がやや弱いCa(OH)2から」の記述内
  51.  397(420)ページ、[炭酸ナトリウム・炭酸水素ナトリウム]の詳説20「(化学式は[CH(OH)COOH]2)で、炭酸より少し強い酸)」の記述内
  52.  399(422)ページ、[アルカリ土類金属の単体]の表。Beの水との反応の条件「高温水蒸気」→「反応せず」に修正
  53.  405(428)ページ、[アルミニウムの単体]の本文「ただし、濃硝酸や濃硫酸には不動態となって反応しない」の記述内。また詳説7「代わりに、水の電離で生じたH^+が受け取り、やはり水素が発生する。」の記述内
  54.  411(434)ページ、[亜鉛の単体]の詳説3「この価電子は~(中略)~、H2Oの電離で生じたH^+に渡されてH2が発生する。」の記述内
  55.  418(443)ページ、[遷移元素の特徴]の詳説3「遷移元素では、Sc(密度3.0g/cm^3)だけが軽金属で、残りはみな重金属である。」の記述内
  56.  429(455)ページ、[鉄の化合物]の参考「Feを~(中略)~状態で加熱しても生成する。~(中略)~、空気中では自然発火する不安定な物質である。」の記述内
  57.  434(460)ページ、[銅の単体]の補足7「緑青には毒性がほとんどないことがわかった。」の記述内
  58.  437(463)ページ、[SCIENCE BOX]の本文「水素の吸収過程は発熱反応で、H原子の状態で吸収され、H2分子となり放出される。」の記述内
  59.  440(466)ページ、[SCIENCE BOX]の四角1の感光の解説「、Br-が光を吸収して、Brとe-に分れ、~(中略)~Ag+に受けとられ、10~100個程度の~(中略)。」
  60.  443(469)ページ、[クロムとその化合物]の補足6「酸性条件で上の反応~(中略)~酸化力がH2O2より強いためである。」の一文を削除
  61.  451(478)ページ、[金属イオンの系統分析]の詳説6「一方、Fe2+のように~(中略)~生じにくいのである。」の記述内と452(479)ページの分析操作6の解説「煮沸後、(NH4)2CO3水溶液を加え、さらにC2H5OHを加えると、」の記述の修正と「また、H2SO4を加えて、~(中略)~となるからである。」の一文の削除
  62.  467(495)ページ、[SCIENCE BOX]の本文「また、波数約1300~600cm^(-1)以下の領域では、」の記述で”以下”を削除
  63.  478(506)ページ、[シクロアルカン]の詳説12「~(中略)~ているH原子間の距離が近いため、それらの立体的な反発が~(中略)~と考えられている。」の記述内
  64.  481(509)ページ、[アルケンの異性体]の詳説4「、末端部に二重結合のあるアルケンには、幾何異性体は絶対存在しない。」から絶対の文字を削除
  65.  485(511)ページ、[アルケンの酸化反応]の補足14「しかし、加熱したり、酸性条件にすると、KMnO4の」から加熱したりの単語を削除
  66.  495(526)ページ、[石炭]の本文「(数値は炭素の質量%)」の記述
  67.  509(539)ページ、[アセトアルデヒド]の詳説8「。このとき、比較的反応速度の小さな酸化剤(K2CrO7)を用いると、」の記述内
  68.  510(540)ページ、[アルデヒドの還元性]の詳説12「、6式の反応速度が著しく小さくなり、」と「また、アンモニア性硝酸銀溶液中に数%のNaOHを加えたトレンスの試薬を用いると、~(中略)~反応速度がかなり大きくなり、常温でも~(中略)~。」
  69.  518(548)ページ、[ギ(蟻)酸]の本文「、蜂や蟻の毒腺中に含まれる。」の記述内。また補足7「蜂など~(中略)~希アンモニア水をぬるのは~(中略)~有効な方法であるといえる。」の」一文すべて。そして本文の「、フェーリング反応は極めておこりにくい。」の記述内と、詳説10の全文
  70.  542(574)ページ、[セッケンの洗浄作用]の詳説5「。すなわち、~(中略)~炭素数で12~22の範囲に~(中略)~炭素数が16,18のものがよく利用される。」の記述内の修正と、本文「。この現象をローリンアップといい、」の記述を削除
  71.  545(577)ページ、[SCIENCE BOX]のアルカリ剤の解説を全文修正
  72.  562(594)ページ、[フェノール類の性質]の酸の強さに関する囲み記事「塩酸>硫酸>スルホン酸>~(略)~」と硫酸のKaの概数値。596(631)ページの囲み記事も同様
  73.  566(598)ページ、[フェノールの製法]の詳説17「炭素原子を激しく攻撃し、結合し、」の記述内
  74.  573(605)ページ、[サリチル酸の反応]の2のフェノール類としての反応の実験「と無水酢酸2mlを加え、よく振り混ぜながら反応開始剤~(中略)~続いて蒸留水20mlを加え、氷冷しながらよく撹拌する。(過剰の無水酢酸を」のほぼ全ての記述と「アセチルサリチル酸を湯浴で加熱しながら、希酢酸~(中略)~放冷すると、精製アセチルサリチル酸が得られる。」の記述内
  75.  580(614)ページ、[アミンの性質]の本文「また、低級の脂肪族アミンは、」の記述内
  76.  583(617)ページ、[アニリンの製法]の参考「、Znで行うことも可能であるが、ふつう、Snや」と「、その還元力はかなり落ちている。」の記述内
  77.  586(620)ページ、[アニリンの反応]の詳説14「加えると、水にやや溶けにくいアニリン硫酸塩が沈殿するが、やがて暗緑色」の記述内
  78.  611(647)ページ、[マルトース]の補足16「(大麦を発芽させ乾燥させたもの)」の記述内
  79.  612(648)ページ、[スクロース]の詳説2「グルコース、ガラクトースの場合はポンプに」の記述内
  80.  615(652)ページ、[デンプン]の詳説3の1「、コロイド粒子の大きさを超えていること、」の削除
  81.  621(658)ページ、[グリコーゲン]の補足12「ヒトの肝臓に約100gのグリコーゲンが~(中略)~約2500kjに相当する。」の記述内
  82.  622(659)ページ、[ニトロセルロース]の本文「~の混合溶液を低温で作用させると、~」の記述内
  83.  630(667)ページ、[アミノ酸の性質]の本文「~とH+が移動(=中和)して分子内塩の~」の記述内
  84.  635(672)ページ、[アミノ酸の分離]の詳説13「 、-COO^- になると、共鳴効果によって電子吸引性はかなり弱くなる。~(中略)~こと(場の効果)から推定すると、」の記述内と、同じ詳説13「。セリンなどの~(中略)~、かなり早く溶出する。」の記述内と、イオン交換クロマトグラフィーのグラフでSerとGluグラフが逆
  85.  638(675)ページ、[ニンヒドリン反応]の詳説17「ただし、プロリンのイミノ基(-NH-)とニンヒドリンとが縮合し、黄色の色素(プロリン黄)が生成する。」の記述内
  86.  639(676)ページ、[ペプチドの生成]の詳説3「、語尾ineをylに変えながら」の記述内
  87.  643(683)ページ、[たんぱく質の二次構造]の詳説6「、図のC-N結合はかなり二重結合性をもつ。」の記述内
  88.  648(688)ページ、[たんぱく質の検出反応]の詳説20「NaOHを用いた反応では長時間加熱しないと、PbSは生成しない。」の記述
  89.  660(703)ページ、[SCIENCE BOX]の参考「の有機化合物が結合したときにはじめて触媒作用を」の記述内
  90.  663(705)ページ、[SCIENCE BOX]のホップの解説「若い雌花」の記述
  91.  665(707)ページ、[SCIENCE BOX]の*2の解説「ベンゼン環に2個以上の-OHをもつ化合物とその酸化物の総称。」の記述内
  92.  666(708)ページ、[核酸の成分]の本文で、ヌクレオチドの構成物質である糖と塩基の炭素骨格の位置番号をプライム記号の有り無しで区別することの解説を新課程版で新たに追記。それに伴って旧課程版の本文や図での「~位」の記述を修正
  93.  667(709)ページ、[DNAの二重らせん構造]の本文(2)の相補性の解説で4つ塩基と対になる塩基は必ず同じであるという記述から「必ず」を削除
  94.  669(711)ページ、[タンパク質の合成]の本文「続いて、リボソームに含まれる酵素の助けをかりてt-RNAの端についているアミノ酸を連結させて、」の記述内
  95. 679(722)ページ、[SCIENCE BOX]の本文で「呼吸」の定義が「異化」に修正。嫌気呼吸の定義が発酵に修正。「リン酸無水物結合」という用語の削除。〔3〕電子伝達系「グルコース1分子当りATP34分子が生成する」の記述内
  96.  681(726)ページ、[6,6-ナイロン]の本文「この構造に最もよく似たポリアミド系の合成繊維をナイロンという」と詳説2「、しだいにポリアミド系合成繊維の総称として使われるようになった。」と詳説3「四塩化炭素溶液(A液)」と「、温水でよく洗い乾燥するとよい。」の記述内の修正と「、6,6-ナイロンの加水分解を抑えることができる。」の削除
  97.  686(731)ページ、[ビニロン]の詳説14「、容易に隣接する-OH基と脱水縮合する。」が付加縮合に修正。また「作業着、運動着、テント、漁網など」で運動着をロープに修正。
  98.  689(735)ページ、[合成樹脂の分類]の本文「この熱処理により、重合がさらに進んで、~(中略)~著しく硬い樹脂をなるわけである。」と「熱硬化性樹脂は、すべて縮合重合によりつくられる。」の記述内
  99. 691(737)ページ、[熱可塑性樹脂]の補足8「アイソタクチックポリマーといい、最も結晶化度が高く、」と「シンジオクチックポリマーといい、(a)に近い品質を示す。」の記述内
  100.  696(742)ページ、[フェノール樹脂]の詳説12「しかし、高校段階では、(1)、(2)式の反応をまとめて、縮合重合によってフェノール樹脂が生成したとしている場合が多い。」の一文を削除と詳説14「このように考えていくと、ノボラックは、ρ位とο位がメチレン基でつながった鎖状構造と予想され、ο位どうしが」の記述内
  101.  699(745)ページ、[メラミン樹脂]の詳説17「メラミン分子は6官能性モノマー(最大)なので、」の記述内
  102. 712(759)ページ、[生分解性高分子]の本文「、タンパク質と同じペプチド結合をもつポリマーをつくれば、容易に生分解されるはずである。」の一文を削除

0 件のコメント:

コメントを投稿