2015年3月18日水曜日

部分積分テーブル法の厳密な証明

計算が面倒でケアレスミスをしやすい部分積分を楽にミスなくおこなう計算法に、テーブル法というのがあります。
これについて浅井英臣先生が立ち上げてるサイト「感動する数学・物理」にて、テーブル法の使い方が紹介されていますが、

今回、浅井先生のサイトを補完するつもりで、私のブログではそのテーブル法の厳密な証明を紹介しようと思います。

なお、部分積分のテーブル法のそもそもの具体的な使い方をまだ知らない方は、

 テーブルはそもそも計算ですから、公式とは違いますので)下記の証明より先ずは上記のリンク先から浅井先生のサイトをご覧くださいませ(僕のブログはあくまで補完です)。

と、厳密な証明だと宣いましたが、実際の僕自身は数学の素養が深くないのであまり内容を鵜呑みになさらないでくださいね。
もちろん、下記のかなり長文になるものを読んでもらう人々に対して、その内容の(出来たこと出来なかったこと含めて)正確性を高めるように努めますので、どうか付き合っていただけたらと思います。


では、まえがきが長くなりましたが、どうぞ。




まずは証明前の準備から


f(x)g(x)をl回微分可能な関数をし、簡単のため f と表記する。また、その第 次導関数をf(x)^(l)g(x)^(l)を書く。
まず、積の積分を部分積分の公式を使って具体的に解く。
   ここで部分積分の公式とは

であるので、積の積分は

と計算できる。
上記の式は数列とその和になっていると予想できる。
これを積分の項と他の項の二つに分けるとその数列は


ではないかと予想できる(あくまで予想です)。
つまり、積の積分を「部分積分を使って解く」とは
 
であり、つまり
  

この数列I_nの初項である(3)を解くのだと予想できる(これも予想です)。
そして、従来の部分積分の公式とは、この数列I_nの漸化式

I 0 の時のことだと予想できる(これも予…)。

(2)と(3)と(4)の式の予想が確かに成り立つかの証明は、最後の最後に後述します。 

ここまではテーブル法の証明のための事前準備となります。


では、ここで本題のテーブル法ですが、

これは(2)の式の数列を(4)の式の関係に基づいて、次のように、「視覚的に表のように」並べます。

上記からテーブル法とは(2)式の= と乗法記号の × を矢印→に変え、積分記号のインテグラルを省略したに過ぎないものなのだと分かります。 

 しかし、したに過ぎないことであろうと、これが非常に大きな効果を持っていることは、小学校から馴染みのある四則演算の「筆算」や因数分解の「たすき掛け」「組み立て除法」の経験から、誰もが納得できることだと思います。

いわばテーブル法とは、足し算掛け算因数分解を解くさい、計算ミスを防ぐため式を横一列にズラズラを計算しないで、当たり前に筆算やたすき掛けや組み立て除法をしてきたのを部分積分でもやっている、というだけだと分かります。

繰り返しますが、これが部分積分での計算ミス防止に非常に効果のあることだというのは誰もが納得できると思います。 

もう少し突っ込んだことを言いますと、テーブル法にしろ、因数分解のたすき掛けにしろ、
このような計算法でケアレスミスを防げる理由は

計算を表(テーブル)という視覚に訴えた方法によって計算することにあります。



ちなみに実際にテーブル法を使うときは、これをさらに省略して